「大きな固まりは大事だが、それは何のためか。もっと心を合わせて発信を」と語る川端氏(大津市馬場3丁目)

「大きな固まりは大事だが、それは何のためか。もっと心を合わせて発信を」と語る川端氏(大津市馬場3丁目)

 国民民主党が11日の党大会で解散を議決した。前身の民主党の結党(1998年)に参加して以来、2017年9月に政界を引退するまで党運営の屋台骨となり、その後も国民民主党滋賀県連顧問を務めてきた川端達夫元衆院副議長(75)に、立憲民主党との合流新党に何が求められるか聞いた。

 ―国民が解党した。立民とのこれまでの合流協議をどのように見ていたか。


 「解党は大きな転換期であり、一つの時代が終わったと感じる。大変寂しい思いがする」
 「(合流協議は)権力争い、主導権争いばかりが見えて残念だった。政策の協議はせず、党名や代表選の話ばかりで進んでいったから、内向き過ぎるとも感じていた」


 ―国民滋賀県連の所属議員は合流新党に参加、不参加、未定の三つに分かれることになった。


 「悩み、のたうち回ったと思う。中央主導で動いていったことに戸惑いや混乱があっただろう。国会議員の動きに地方が振り回されるということが本当にあるんだなとつくづく思った。結果的に全体での、本当の意味での合流にはならなかった」


 ―与党と対峙(たいじ)する大きな固まりを目指すことが合流のスローガンだった。


 「数か中身(政策)か、政治の世界では常に葛藤する。数が大きくなって政権を取ってこそ自分たちが思う政策を進められる。しかし大きくなろうと思えば、いろいろ違う人がいるから多少(政策を)丸めないといけない。ただ、丸めすぎると何のための政治をやっているのか分からなくなる。僕が元いた新進党でも解党を経験し、苦労の中で民主党をつくったが、当時は高揚感や世の中の期待があった」


 「個別の名前を出すのはどうかと思うが、どこかの知事が最近(新型コロナウイルス対策で)てきぱきと先頭に立ってメッセージを出し、所属政党の支持率が全国的に上がった。有権者は党名ではなく、行動を見ている。大きな固まりはもちろん大事だが、それは何のためか。順番を間違えてはいけない」


 ―合流新党の綱領案に「原発ゼロ」が明記されたことが亀裂を生んだ。


 「党の綱領とは目指す国の姿であり、『憲法』だと枝野(幸男)代表は言った。だが、原発ゼロはあくまで一つの政策。(憲法とは)フェーズが違うと思う。原発がない世の中になったら、綱領から原発ゼロの文言を消すというのだろうか。結果的に労働組合の中には、そういう憲法なら組合員に説明できないところがでてきた。もっと議論して、より高いところで決着させる努力が足りなかった」


 ―合流新党への注文は。


 「いま一度、共通の思いを持った皆が大結集できるようにするという『宿題』がある。党が持つ国家観、目指す社会像、実現すべき政策が明確に打ち出せるよう努力してほしい。それが結果として有権者の支援を呼ぶと思う。合流新党が選挙互助会的に見えてしまったら支持は厳しくなることを肝に銘じてほしい」


 「地方議員たちには、進路が分かれても、心棒だけは持ち続けてほしい。ぶれないでほしい」

 ◇ 

 かわばた・たつお 1945年近江八幡市生まれ。東レ社員を経て86年衆院選に旧民社党から立候補し初当選。滋賀1区を地盤に10期務めた。94年の新進党結党、98年の民主党結党に参加。民主党幹事長、同党政権で文部科学相、総務相などを歴任し、2014年12月衆院副議長に就任、17年9月に政界を引退するまで務めた。現在はUAゼンセン政治顧問。