「プラットフォーマー」と呼ばれる米グーグルやフェイスブックなど巨大IT企業は、国境を越えて事業を展開し、いまや圧倒的な力を持つ。

 力を背景に、電子商取引では出店者らに不利な契約を結ばせていると指摘される。利用者の個人情報を、大量に取得していることへの懸念も強い。

 今月に入って政府は、巨大IT企業に対する規制のあり方やルールづくりを進める「デジタル市場競争会議」を、ようやく立ち上げた。後手に回った印象が残るものの、対応を急ぐしか、道はなかろう。

 巨大IT企業を巡っては、ほかにも大きな問題が存在する。

 インターネットを用い、世界中で膨大な収益を上げているのに、事業の拠点を置いていない国や地域には、応分の税を払っていないことである。

 問題の解決に向けて、経済協力開発機構(OECD)は先日、国際的な「デジタル課税」の骨格案を公表した。

 約130もの国・地域が、課税のルールづくりに参加しており、取りまとめには多大な労力を要するが、成案を得られるようにしてもらいたい。

 骨格案の概要は、世界規模でサービスを提供する企業が、一定の水準を超えて得た利益を対象に、それぞれの国・地域における売上高に応じて、税収を配分するというものだ。

 その水準としては、売上高に占める利益の比率が10%を超えること、課税するのは10%を超える部分の一部となることが、有力視されている。

 国際課税ルールの基本原則によると、国・地域は、域内に市場があっても、支店や工場といった物理的拠点がないと、企業に課税できない。

 そこで、売上高を対象とすれば、オンライン広告や音楽配信など、拠点を持たない事業にも課税の枠を広げられる。

 ルールを大転換することにはなるが、IT企業の増大に対処するには、妥当な措置といえるのではないか。

 OECDは、1カ月ほどかけて意見を公募し、公聴会などを経て、来年1月の国際的な大筋合意を目指すという。

 米国は自国の巨大IT企業が狙い撃ちされるのを警戒し、アリババグループなどを抱える中国も同調したとされる。しかし、フランスや英国などで独自課税の動きが広がり、企業側は安定した課税ルールの設定を望みだした、とみられている。

 そうならば、予定通りに大筋合意することも、十分可能と考えられる。

 課題は残っている。課税対象となる企業を利益率10%以上とした場合、先進国で合意が形成されたとしても、グローバル企業への課税強化を求める新興国は、納得しないかもしれない。

 国・地域によって会計基準が異なる中で、税の配分を、どう計算するのか、見通しが立っているわけではない。それぞれの利害が絡むだけに、難しい局面を迎えることもあろうが、最終的には折り合うべきだ。

 日系企業への影響は限定的とされるが、これもしっかりと見定めておきたい。