教員の多忙化の大きな要因となっている公立学校の部活動について、文部科学省が改革方針をまとめた。

 中学と高校の休日の部活動を2023年度から段階的に地域や民間団体に移行し、教員による指導は希望者に限るとした。休日の開催が多い運動系の大会や文化系のコンクールも、参加する機会を絞り込むよう求めた。

 教員の働き方改革に向けた取り組みが始まってはいるが、長時間労働は依然解消されていない。文科省は「これまでの部活動は教員の献身的な勤務の下で成り立ってきた」とし、持続可能な部活動にするためにも改革が必要とする。

 だが、教員の負担軽減ばかりが強調されても、地域や保護者の理解は進まないだろう。

 教科学習とは異なる場での人間形成など、部活動の教育的な意義は大きい。地域移行による生徒への影響にも十分配慮し、改革の必要性を丁寧に説明して協力を求めなければならない。

 休日部活動の移行先は、保護者や元教員らでつくる指導グループなどの地域団体、総合型スポーツクラブ、芸術文化団体などが想定されている。教員が休日の指導を希望する場合は、兼職や兼業の許可を得た上で、地域活動として従事するようにする。

 地域への移行によって、平日と休日で部活動の運営主体が変わることになる。指導方針や練習プランなどを学校と地域団体が共有、連携することも必要になろう。

 費用負担や、けがなど事故発生時の責任のほか、練習場所の確保、指導者への謝礼、保険の加入などが新たな課題になる可能性がある。

 改革方針は、費用は受益者となる生徒の保護者負担、事故時の責任は運営主体と原則を示しつつ、国による支援も検討するとした。生徒にとっても大きな変化になりうる。安心して活動に打ち込めるよう、十分な支援策を講じてほしい。

 部活動の指導者を外部から招く仕組みとしては、すでに「部活指導員」の制度が導入されている。17年度の学校教育法施行規則改正で学校職員に位置づけられ、部の顧問を務めたり、大会などへ生徒を引率したりすることが可能になった。

 配置された学校では、顧問の教員の時間外勤務が減るなどの効果が出ているという。ただ、保護者への連絡や指導計画の作成といった仕事量のわりに指導員の給与が少なく、なり手不足が指摘されている。専門的な技術指導ができる人材が少ないといった課題も挙げられている。

 地域への移行でも、担い手不足が想定される。教員が休日に出勤せざるを得ない状況が続くおそれがある。

 部活動を巡っては、生徒の減少で学校単位の活動が難しくなっていることや、行き過ぎた指導などが問題になっている。持続可能な部活動とするためには、こうした構造的な問題にも切り込むことが必要ではないか。

 地域移行は住民が学校活動に目を向ける好機になる。教育委員会は学校、地域とあるべき部活動の姿を議論してほしい。