判決を受け記者会見する朝鮮学校側の弁護団メンバーら(大阪市内)

判決を受け記者会見する朝鮮学校側の弁護団メンバーら(大阪市内)

 京都朝鮮第一初級学校(京都市南区、閉校)をおとしめる発言をしたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われ、一審で罰金50万円を言い渡された「在日特権を許さない市民の会(在特会)」元幹部の男(51)の控訴審判決(大阪高裁)で、14日に控訴が棄却されたことを受けて、朝鮮学校側を支援する弁護団メンバーらが大阪市内で会見し、「刑事司法が差別に加担している」「日本社会が怖い」などと判決への批判や不安を訴えた。

 判決は、無罪を主張した被告側の控訴を棄却した一方で、「朝鮮学校関係者かな、と思ったら110番してください」などの発言に「公益目的があった」とした一審・京都地裁判決を支持する形となった。

 京都朝鮮第一初級学校の卒業生の女性弁護士は「この判決を受けて率直に感じたのは、『日本社会が怖い』『日本で生きるのは怖い』ということ。娘が朝鮮学校の幼稚園に通っていることを、言い出せない場面がある」などとし、「私たちは日本社会で『透明人間』のような扱いを受けている。いないことになっているから、痛みを共感してもらえない。もうここまで虐げたら十分でしょう」と失望を語った。

 京都朝鮮第一初級学校を運営していた学校法人「京都朝鮮学園」の趙明浩理事長は「これ以上ヘイトがあってはならない。憂慮しているのは、朝鮮学校に通う子どもたち、保護者が、まだ堂々と在日コリアンとして生きていけない社会が続いていること」と不安を話した。「司法の場で公益性を正さなかったことはあってはならない。今後の同種事件の判決において、差別行為を厳しく断罪する運用へと改善されることを願う」とも述べた。

 弁護団事務局長の冨増四季弁護士は「国際社会にも訴え、ヘイトに加担するかのような日本の刑事司法を変えていきたい」と話した。