明智光秀から「謀反」を知らせるはがきを使ってクラウドファンディングを企画した宇都宮さん(福知山市内記・福知山城)

明智光秀から「謀反」を知らせるはがきを使ってクラウドファンディングを企画した宇都宮さん(福知山市内記・福知山城)

明智光秀からの「謀反」を知らせる架空の通知はがき

明智光秀からの「謀反」を知らせる架空の通知はがき

明智光秀からの「謀反」を知らせる架空の通知はがき

明智光秀からの「謀反」を知らせる架空の通知はがき

 戦国武将・明智光秀ゆかりのまちを宣伝する費用を集めるため、福知山市がふるさと納税のクラウドファンディング(CF)で募った寄付金が、当初目標の3・5倍の約1100万円に達した。新型コロナウイルスの影響による福知山城の休館や大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の休止といった逆風の中、市担当者のアイデアで生まれた特典のはがきが「援軍」となった。

 寄付者に贈った特典はがきは、本能寺の変にちなんで光秀が謀反を知らせる体裁で、行政の通知を模している。八幡市出身で「スエヒロ」の名でツイッターに作品を発表している会社員が1月に投稿した。市秘書広報課シティプロモーション係の宇都宮萌さん(35)が偶然見つけた。

 市は5月、光秀が織田信長を討った理由をネット上で投票する「総選挙」を実施。特典としてはがきを活用し、「開封のご注意」などの文言を加えて投票者に抽選で贈ると、約240倍の人気を集めた。

 好評を受け、CFでも特典にはがきを取り入れた。語呂合わせで「みつひで円」となる321万1千円を目標に7月3日から一口3千円で募った。期限は8月末としたが、翌4日に目標を突破し、次に設定した553万2110円(Go!Go!みつひで円)も7日に達した。最終的に1113万2110円(いいひと!みつひで円)を目指したが一時伸び悩み、宇都宮さんも「達成できるかどうかは正直不安だった」。

 再び寄付が増え始めたのは8月上旬。はがきを受け取った人たちがSNS(会員制交流サイト)に次々に投稿し、光秀ゆかりの作品を描いたマンガ家や京都のタクシー会社が「光秀からはがきが届いた」と発信した。圧着はがきは開封すれば謀反に同意したと見なされるため「届いたけれど開封できない」という反応や、2枚届いて「開封用と保管用」と喜ぶ投稿もあり、反響が広がった。

 宇都宮さんは「寄付が増えているのをサイトで見るのが毎日楽しみだった」と笑顔で語る。最終目標を達成したのは、大河ドラマが放映を再開した8月30日夜。9月8日時点で3448人から1148万4110円が寄せられた。外部に委託しない市役所自前の広報が功を奏し、市は「福知山の歴史の一ページに刻まれる出来事」と喜ぶ。想定を超える貴重な財源が集まり、「寄付金はドラマ撮影セットのVR(仮想現実)体験や講演会といったPR事業に活用し、まちを盛り上げていきたい」と次の一手を探る。