堀雅晴教授

堀雅晴教授

 自民党は14日、安倍晋三首相の後継となる総裁に菅義偉官房長官を選んだ。菅氏が新総裁の座に就いた要因や今後の政局について、立命館大の堀雅晴教授(現代日本政治論)に聞いた。

 新総裁に菅氏が選ばれたのは7年8カ月にわたる安倍政権の要であり、官房長官として屋台骨を支えてきたからだと言える。「安倍政治」の継続を願う二階俊博幹事長を先頭に、大方の派閥領袖(りょうしゅう)と国会議員からの支持を取りつけることができた。

 安倍首相の突然の辞意表明を受け、簡略型の総裁選が実施された。これで国民人気と地方票が頼りの石破茂元幹事長の当選はなくなった。岸田文雄政調会長は新型コロナウイルス対策で一部世帯への30万円給付を主導したが実らず、人気も上がらないことで、支持の広がりを欠いた。

 今回、「政治空白を避ける」という大義名分の下に繰り広げられた総裁選は、派閥政治の様相を見せた。そうした中で無派閥の菅氏が多くの支持を得たのは、首相の辞任表明後の世論調査で内閣支持率が急上昇し、「安倍政権継続」を掲げる菅氏への安心材料が得られたことが大きい。

 今後は新総裁の下で、総選挙に向けた態勢を作れるかが焦点になる。菅氏は地方出身者でたたき上げというのが特徴だが、それで「選挙の顔」になり得るのかどうか。菅氏が次の選挙までに求心力を失えば、河野太郎防衛相や小泉進次郎環境相、野田聖子元総務相の待望論が浮上するかもしれない。

 国政選挙に勝ち続けた安倍首相の後でもあり、菅氏が何をキャッチフレーズに衆院解散・総選挙に打って出るのかにも注目したい。野党がコロナ禍の中で訴えている消費税減税にどう対応するかも問われてくるだろう。