京阪電鉄不動産が太陽光発電所の計画を中止した宇治市木幡須留の土地(左)。住宅地と隣接し、住民が反対していた

京阪電鉄不動産が太陽光発電所の計画を中止した宇治市木幡須留の土地(左)。住宅地と隣接し、住民が反対していた

 京都府宇治市の住宅街に隣接する土地で大規模な太陽光発電所を計画していた京阪電鉄不動産(大阪市)が、計画を中止することが14日に分かった。グループ会社が開発した宅地に隣接しており、住民の反対を受けて決めた。

 同社は2016年、同市木幡須留の1・36ヘクタールに太陽光パネル2700枚を設置する計画を住民に示した。隣接地は京阪グループが開発した同市平尾台で、住民側は、景観悪化▽反射光の不安▽保水力低下で豪雨災害の危険▽住宅価値低下、などを挙げて反対してきた。同社はパネル枚数の削減や目隠しの植栽拡大などを示したが、議論は平行線で、今月12日に計画中止を伝えた。

 担当者は取材に「法的問題はないが、グループが開発した土地の住民と長くもめるのは具合が悪い」と説明した。

 太陽光発電所は、12年に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が導入されて以降、各地で拡大したが、設置を巡るトラブルに加え、パネルの放置や災害時の崩落も起こっている。

 資源エネルギー庁が17年に策定した太陽光発電の事業計画策定ガイドラインは「自治体が個別に策定する指導要綱、ガイドライン等の順守」を事業者に求めるが、同市に関連の条例やガイドラインはない。

 大津市や大阪府箕面市など規制条例を設ける自治体は増え、亀岡市も市域の約4割で設置を禁止する条例案を市議会3月定例会に提出する。

 住民側も宇治市に規制条例制定を求め、昨年の市議会9月定例会に請願を提出し、全会一致で採択。市は検討を始めた。住民は「計画中止はうれしいが、市全体に関わること」とし、市の動向を注視するという。

 市は「再生可能エネルギー推進が市の基本的立場」とした上で、「山間部など太陽光パネルが大規模に設置される懸念は他にもある。規制の可否や範囲を含め、他自治体の事例も参考に検討したい」としている。