「お試し価格」広告誤認の例

「お試し価格」広告誤認の例

 定期購入が前提にも関わらず「お試し価格」などと銘打った広告を全面に出して消費者を誤認させているとして、京都市の消費者保護団体が、健康食品販売会社に広告の差し止めを求めていた2件の訴訟がこのほど、会社側が誤認表示を改めることで京都地裁で和解した。同種のトラブル相談は全国で相次いでおり、国民生活センターが注意を呼び掛けている。

 訴訟は一昨年、弁護士らでつくる適格消費者団体NPO法人「京都消費者契約ネットワーク」(中京区)が、東京の健康食品の通信販売会社「ラッシャーマン」など2社を相手取り提訴した。

 訴状によると、同社はサプリメントを「初回実質無料 送料560円のみ」と宣伝していたが、小さな文字で4回以上の継続購入が条件と表示。実際は少なくとも2万4千円を支払う必要があった。

 同ネットワークによると、同社が、購入回数の条件を設けず、初回のみで解約できるように販売方法を改めたため、昨年11月に和解に至ったという。同社は「今後はわかりやすい表記に努め、業界全体の表記改善につなげたい」としている。もう1社とは昨年3月に和解した。

 国民生活センターによると、通信販売のお試し価格を巡るトラブルは近年急増。2018年度は1万6600件(今年2月13日現在)あり、5年前の約7倍に上る。同センターはスマートフォンなどの普及で通販が身近になったことが一因になっているとみている。業者とスムーズに解約できない場合もあるといい、「事業者に連絡を取ろうとした証拠として電話の発信履歴やメールの送信記録を残すことも有効」としている。

 訴訟を担当した京都消費者契約ネットワークの森貞涼介弁護士は「安さをうたう大きな文字に惑わされず、小さな文字で書かれた消費者に不利益な契約事項をしっかり確認してほしい」と話す。購入前にはネットなどで業者の口コミを調べることも重要だとし「消費者自身が事前に情報を調べることが大切」と指摘する。