水泳場の営業が終了した9月以降も、若者らでにぎわう近江舞子中浜水泳場(大津市南小松)

水泳場の営業が終了した9月以降も、若者らでにぎわう近江舞子中浜水泳場(大津市南小松)

 今年の夏、琵琶湖に開設された多くの水泳場が、8月末で開設期間を終えた。一方、9月以降も週末などに県内外から大勢の人が訪れ、事故も相次ぐ。各水泳場は、救護・監視体制が整った7~8月とは異なり、安全確保は自己責任になるとして、滋賀県警や地元住民らが注意を呼び掛けている。

 琵琶湖の水泳場は、運営する個人や団体が監視や救護体制を整備し、県公安委員会などに届け出て開設する。期間制限はないが、大半は7~8月で、期間中は遊泳区域や動力船進入禁止区域を示すブイの設置が義務づけられる。期間後は、原則的にブイは撤去され、監視員もいなくなり、県警地域課は「河川などと同じく、安全管理は自己責任となる」とする。

 開設期間終了後の9月6日、悲しい事故が起きた。大津市南小松の近江舞子中浜水泳場で、大阪から友人と遊びに来ていた男子大学生(18)が遊泳中に行方不明になり、翌日、沖合約60メートル、水深約24メートルの湖底で遺体が発見された。

 大津北署によると、大学生は、動力船進入禁止区域を示す沖合約100メートルのブイに向かって泳ぎ、Uターンして岸に戻る途中で姿が見えなくなったという。遊泳区域を示す沖合約10メートルのブイはすでに撤去されていたが、同署は大学生が遊泳区域と勘違いして泳いだ可能性もあるとみて調べている。

 同水泳場を運営する南小松自治会の会長(61)は「若い命が失われ、深刻に受け止めている。ただ、9月以降は水泳場の開設期間ではないため、人目が行き届かない。各自で注意を徹底してもらうしかない」と説明する。

 事故から2日後の8日、同水泳場に遊びに来た大学生(21)=滋賀県長浜市=は「琵琶湖は岸から少し歩くと首まで浸かる。浮力も弱いので、遠くまでは泳がないが、遊泳区域を示す目印などがないと、初めて来る人にはどこまでが安全か分かりにくいのでは」と、疑問を投げかけた。

 こうした事故を警戒し、ある水泳場では、開設期間外の9月以降も遊泳区域のブイなどを設置したままにしているという。関係者は「安全管理は自己責任というのも分かるが、人命がかかっている以上、最低限の安全の目安がないと危険だ。9月も気温は高く、連休に多くの人出が予想されるので、地元として遊泳客に積極的に注意するよう声掛けをしたい」と話した。

■船舶事故も多発 「水上バイク怖い」

 9月の琵琶湖では船舶事故も多発している。県警地域課によると、過去10年の事故総数は、7月が80件、8月116件、9月75件で、注意が必要だ。この5年での船舶事故の年間の死者は1~5人、負傷者は15~25人。モーターボートや水上バイクでバナナボートなどをけん引する「トーイングチューブ」などが普及し、増加傾向という。

 8日も大津市の近江舞子中浜水泳場では、遊泳者の間を縫うように水上バイクが走った。友人と遊びに来た女子大学生(20)=草津市=は「9月も人は多いのに常時監視する人もおらず、『走り放題』。泳いでいる人の近くまで速度を出して近づく水上バイクも多く、怖い」と話した。

 事故当事者の7~8割は県外在住者。県警は「県外の人に琵琶湖の危険性をいかに認識してもらうかが喫緊の課題」とする。琵琶湖で水上バイクを利用する場合は、県水上安全協会の安全講習受講が必要で「急激に深くなる水深や変わりやすい天候、海より浮きにくい水質など琵琶湖の特性を県内外の人に伝える重要な機会」とし、受講を求めている。