滋賀県庁

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 滋賀県は18日、2019年度の障害者差別に関する県への相談が85件と、前年度の5倍超に上ったと明らかにした。19年10月から独自に配置した「地域アドボケーター」を通じた相談もあり、中には「自治会役員を引き受けられないなら会費を2倍払うよう求められた」との知的障害者グループホームからの訴えもあったという。

 県は「障害者差別のない共生社会づくり条例」を19年10月に全面施行し、障害者への合理的配慮を官民の団体や個人に義務化した。

 県障害福祉課が受け付けた19年度の相談件数は、前年度の16件から5・3倍に増加した。民生委員や障害のある当事者が担う地域アドボケーター(25人)を通した相談も11件あった。

 条例で設けられた障害者差別解消相談員(2人)が今年3月末までの半年間に助言・調整に当たった事例は15件あった。身体障害者が入浴施設でつえの使用を注意されたケースや、地元自治会に役員を出せない知的障害者のグループホームが、他の一般事業所と同様の扱いとして2倍の会費を求められたケースがあった。いずれも相談員が入浴施設や自治会に説明し、理解を得たという。

 合理的配慮の提供に関する相談は10件。一例として「身体障害者から、傍聴に行けない会議の資料の郵送を求められるがどこまで応じたらいいか」との相談があり、資料の一覧表を送って必要な分を確認して送るなどの対応を助言したという。県は昨年度の相談、差別事例をまとめた報告書を10月に公表する。

 18日の県議会9月定例会議で、三日月大造知事は「障害者差別に関する意識の高まりが相談件数の増加として現れた」との認識を示した。地域アドボケーターの認知度アップに向け、障害者手帳の交付時などに周知を図るとした。チームしが県議団の代表質問に答えた。