後期の授業が開始された教室。座席には張り紙がされ、学生は間隔を空けて座った(17日、京都市右京区・京都先端科学大)

後期の授業が開始された教室。座席には張り紙がされ、学生は間隔を空けて座った(17日、京都市右京区・京都先端科学大)

 新型コロナウイルスが収束しない中、京都と滋賀の多くの大学で9月から後期の授業が順次スタートしている。オンライン中心だった前期に対し、後期は「キャンパスでの学びは不可欠」と教室での対面授業を拡大。キャンパスの入り口に検温ゲートを設けたり、スクールバスで通学中の感染リスクに配慮したりして感染対策に懸命になっている。

 「オンライン授業でも、話したことあるよね」。短くあいさつを交わした学生約60人が、200人を収容できる大教室にまばらに座った。17日に後期が始まった京都先端科学大(京都市右京区)は、3密(密閉、密集、密接)対策で教員の講義を別教室に配信する「サテライト形式」を取り入れた。今春新設された工学部の学舎には学生約120人の姿が戻り、1年の学生(19)は「やっと大学生らしい生活が始まる。教室での授業は意見交換がしやすい」と笑顔を見せた。


 前期は入学直後の1年生と卒業を控えた4年生の6月以降の一部を除き大半の授業をオンラインにした。田畑修工学部長は「前期の経験から時間と空間を共有して学ぶ意義が明らかになった」と話す。後期は感染への不安で通学できない学生には授業を動画で配信するなど配慮しつつ、全学年の授業の半分で対面を取り入れる。


 他の大学でも後期の授業はオンラインを残しながら対面を拡大させる。実験など専門的な設備を使う機会を増やし、学生同士の議論をしやすくするためだが、アルバイトなど行動範囲が広い大学生は感染リスクは高いとされ、各大学は対策に工夫を凝らす。


 京都産業大(北区)はキャンパス内に通学してきた学生の体温を計測するゲートを設け、PCR検査を受けられる施設も設置する。龍谷大(伏見区)は大津市の瀬田キャンパスに通う学生のためにJR大津駅前からスクールバスを新たに運行させ、3密をつくらないように配慮する。他にも学生に入構時の行動履歴の記録を呼び掛けたり、民間のマンションを借り上げた上で学生寮の入居者を減らしたりした大学もある。


 キャンパスライフを取り戻すためコロナとの共存を始めた各大学。京都市内のある大学の40代男性職員は「キャンパスで学ぶからこそ得られる教育効果がある一方、ウイルスについては安心できない。慎重に教室での授業を進めたい」と気を引き締める。