ラグビー日本代表で奮闘する田中、松田の健闘をたたえる山口さん(8日、京都市内)

ラグビー日本代表で奮闘する田中、松田の健闘をたたえる山口さん(8日、京都市内)

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で史上初の8強入りを決めた日本。攻守に奮闘した田中史朗(34)と松田力也(25)を伏見工業高で指導した京都工学院高ラグビー部総監督の山口良治さん(76)=京都市上京区=の喜びもひとしお。「涙が出ました。ジャパンのジャージーを着たファンで埋まり、選手も燃えたと思う。ラグビー文化が広がってうれしいね」と声を震わせた。

 教え子2人のプレーは「期待もあるが、大きな相手にタックルする心配もある」と親心を打ち明ける。全試合で途中出場した田中は「経験を生かし、試合の流れを変えている」と印象を話し、松田は「走っても速いし、キックも蹴れる。大事な場面でよく頑張った」と喜んだ。準々決勝も2人の出番はありそうで「もっと長い時間、見ていたい」と楽しみにする。

 自らも代表キャップ13を持ち、1960、70年代に名勝負を演じた。プレー環境も大きく変わり、「今の選手たちは多くのことを犠牲にして厳しい練習を乗り越えてきた。僕ならやめているかもしれない」と次々に強豪を倒した後輩たちをたたえた。

 ロシア戦とアイルランド戦を現地観戦した。大観衆を目の当たりにし、脳裏に浮かんだのは3年前に亡くなった教え子の平尾誠二さん。「(W杯組織委員会理事を務めた)彼なくして、この大会はなかった。どこかにいたんやろうね」。山口さんの願いは一つ。「サッカーや野球にはない、ラグビーの良さがたくさんの子どもたちに伝わってほしい」〓(上坂恭平)〓