ラグビーワールドカップ、2020年東京五輪・パラリンピック、21年ワールドマスターズゲームズ関西。心躍るスポーツ祭典が再来年にかけて相次ぐ。京滋では24年に滋賀国体(国民スポーツ大会)・全国障害者スポーツ大会も開かれる。

 近年、夏季五輪の日本の金メダル獲得数は女子が男子を上回る。NHK大河ドラマ「いだてん」で描かれる、そもそも女性が競技をすることに偏見のあった時代をこえ、選手の裾野は着実に広がっている。一方、競技団体を率いる理事ら役員、コーチやトレーナーなどの指導者に女性はまだまだ少ない。

 理事会をはじめ、組織の意思決定の場に多様な人が参画することは、課題への対応力を高め、スポーツ全体の発展につながる。これまで長年、女性の体の特性を無視した強化やセクハラ、パワハラが見過ごされてきたのも、多様な視点の欠如と無関係ではあるまい。

 性別や年齢、障害の有無にかかわらず、スポーツに親しみ、指導的な地位に就ける「機会均等」の実現を加速したい。

 日本スケート連盟の橋本聖子会長(先月退任)や日本バスケットボール協会の三屋裕子会長ら組織のトップを務める例がある半面、役員に女性がゼロの団体もあるのが現状だ。

 改革の必要性は、多くの団体が認識しているに違いない。だが内部でなお聞かれるのは、産業界と同様「ふさわしい候補者がいない」「女性自身がリーダーになりたがらない」といった声だ。

 本当にそうだろうか。候補者になるために経験や実績を積む道を公平に開いているか、子育てとの両立やキャリア復帰を支援しているか、まず問うべきだ。「なりたがらない」のも、男性側の思い込み、あるいは「いだてん」の時代を引きずった男性中心主義が女性に遠慮を強いているのではないか。

 「男性コーチが指導した方が競技力が上がる」とも聞く。しかしこれも、現状では男性が上級・専門指導者に圧倒的に多いからにすぎまい。

 世界のスポーツ界は、女性役員の比率を20年までに40%に引き上げる目標を掲げている。この「ブライトン・プラス・ヘルシンキ宣言」(14年)には日本も署名しているが、実際の比率は役員で1割、競技指導者で3割弱にとどまる。

 そんな中、日本セーリング連盟は他に先駆けて昨年、役員に3人の「女性枠」を設けた。託児室付きの大会を増やすなどの改革も進めている。子育てをしながらトップで活躍する吉田愛選手は、立命館大出身の吉岡美帆選手と組んで出場する東京五輪のメダル有力候補だ。

 琵琶湖ともゆかりが深い競技でのこうした取り組みは心強い。再来年にかけてのゴールデン・スポーツイヤーズのレガシー(遺産)として、全ての競技に改革を広げたい。それぞれの中央団体だけでなく地方団体も同様だ。5年後に国スポを開く滋賀県と県内団体には、率先して取り組むいい機会である。