しらせの船橋にある操舵席。厳しい自然環境の中、ハンドルやボタンで巨大な船を操作する(舞鶴市北吸)

しらせの船橋にある操舵席。厳しい自然環境の中、ハンドルやボタンで巨大な船を操作する(舞鶴市北吸)

船橋の机に置かれた南極大陸の地図。隣にはレーダー装置

船橋の机に置かれた南極大陸の地図。隣にはレーダー装置

医療機器がそろう医務室。奥は手術室で歯科治療室もある

医療機器がそろう医務室。奥は手術室で歯科治療室もある

しらせの格納庫に展示された南極の氷

しらせの格納庫に展示された南極の氷

舞鶴市に寄港した「しらせ」

舞鶴市に寄港した「しらせ」

 南極観測船「しらせ」が、京都府舞鶴市に10年ぶりに寄港していた期間中、船内を報道陣に公開した。氷を砕いて進む日本唯一の艦船を操作する部屋のほか、極寒の南極大陸への長旅に備えた充実した設備が見学できた。

 しらせは長さ138メートル、幅28メートル、1万2650トンの海上自衛隊所属の砕氷艦。氷に対して200~300メートル後退し、勢いをつけて乗り上がり、船の重さで割る「ラミング」を繰り返して前進する。

 まず、案内されたのは船の操作を担う「船橋(せんきょう)」で、かじを動かすハンドルや前後進を指示するボタンなどの操舵(そうだ)席、南極大陸の地図、レーダー装置などが置かれていた。船橋では1チーム10人で3時間交代で任務に当たる。厚い氷が行く手を阻む南極への航路では1回のラミングでわずかしか前進しないことも多く、昨年の航海では約500回のラミングを行った、という。

 船内には食堂や二段ベッドの寝室のほか、各種の医療機器や薬のある医務室、手術室、歯科治療室も備え、盲腸の手術が行われたこともある。理髪室もあり、理容師は乗船しないため、乗員同士で髪を切るという。船上部には巨大な格納庫があり、ヘリコプター2機も積載できる。

 厳しい自然環境での航海が11月から始まるのを前に、報道陣を案内した「しらせ」通信長の昆雅一2等海尉(45)は「地球環境の保全につながる南極観測業務を支援するため、無事に行って帰ってくることに全力で頑張りたい」と意気込んだ。

 しらせは、舞鶴市の海上自衛隊北吸岸壁で22日まで寄港していた。