南丹市園部町の山中で見つかったヒナノシャクジョウ。府の絶滅寸前種に指定されている

南丹市園部町の山中で見つかったヒナノシャクジョウ。府の絶滅寸前種に指定されている

 京都府南丹市園部町の山中で、府レッドデータブックの「絶滅寸前種」に指定されている、菌従属栄養植物のヒナノシャクジョウが見つかった。葉がなく、光合成をしないが、菌から栄養を得て生きており、府南部の山城地域でわずかに確認されているのみで、専門家は「府内での北限が変わると言える。非常に重要な発見だ」と指摘している。

 京都府向日市で板金会社を経営する佐々木明さん(69)が見つけた。キノコ取りが好きで、植物にも関心があり、よく訪れる山に生えているのを5年前から知っていた。名前を知ろうと、9月に府立植物園(京都市左京区)に連絡。園長の戸部博京都大名誉教授(植物分類学)がヒナノシャクジョウだと断定した。

 小さくて、僧が持つ錫杖(しゃくじょう)に格好が似ていることから名付けられた。佐々木さんは「かんざしを土に刺したような姿」と表現する。土中から2センチほどの茎をのぞかせ、白い花も1センチ程度と小ぶり。根から菌類の栄養を取り込んで生きているが、詳しいメカニズムは分かっていないという。

 18日に佐々木さんに同行して多数の生息を確認した戸部さんは「さまざまな関わりを持って生物が生きている面白さがヒナノシャクジョウから伝わる。しばらく見つかっていないと思われる上、府内での北限が広がると考えられる」とする。

 府内では今後の絶滅が懸念される種で、佐々木さんは「園部にある素晴らしい自然を今後も大事にしないといけない」と話す。