イオンモール久御山の屋上駐車場で開かれたドライブインシアター。看板塔の下の白い壁に映画を映した=京都府久御山町、9月11日

イオンモール久御山の屋上駐車場で開かれたドライブインシアター。看板塔の下の白い壁に映画を映した=京都府久御山町、9月11日

京都映画センター事務局長の宇都宮信人さん

京都映画センター事務局長の宇都宮信人さん

 1980~90年代に流行した「ドライブインシアター」。車に乗ったまま家族や恋人と楽しめ、コロナ禍での感染不安を抑えられるとして、今年再び脚光を集めている。京都府内でもイオンモール久御山で9月に初開催された。裏方として映写を担った京都映画センター事務局長の宇都宮信人さん(34)は「一定の広さがあれば、こうした野外上映はどこでも可能」とし、多様な上映スタイルを切り開こうとしている。

 イオン久御山の屋上駐車場で、スクリーンの代わりとなる看板下の白壁に、子ども向けのアニメ映画「すみっコぐらし」が投影された。FM電波を使ってカーステレオで音声も聞ける。

 料金は、車1台につき乗員定員内ならば何人乗ろうと3千円。ポップコーンとドリンクも二つずつ付く。初開催となった9月11日は、約50台分のチケットが前売りで完売。前方の席に子どもたちを座らせ、後方席で大人が見守るという車が多く見られた。

 イオンエンターテイメント(東京都)は、各地のイオン駐車場で同様のドライブインシアターを7月末から段階的に開始。子ども向けだけでなく、「ラ・ラ・ランド」「ボヘミアン・ラプソディ」といったヒット作も上映。さらに9月からは「ミッドウェイ」など封切りしたばかりの新作も上映し、客層を広げる。

 それぞれの場所で映写機器を特設し、ピントを合わせたり、音声を調整したりする必要があるため、宇都宮さんら映写スタッフが依頼を受けて各地に出張。機材を車に積み、京都から、遠くは首都圏のイオンまで通うこともあったという。

 京都映画センターでは、このほか府内の企業や団体から依頼を受け、グラウンドや公園の駐車場を会場にドライブインシアターを秋にも開く方向で準備を進める。持ち運び式のスクリーンを張れる場所があれば、常設のスクリーンや白い壁がなくても、上映は可能という。

 コロナ禍で中止が続いていた公共ホールなどでの上映会が少しずつ再開しているものの、感染への心配もあって客足は十分に戻らない状況が続いている。「いろんなスタイルで映画の面白さを伝える環境をつくっていきたい」とする。

 ドライブインシアターを開いても「車を持っていないので行けない」「シングルマザーで子育てをしており、行く余裕がない」といった声が宇都宮さんの元に寄せられている。そうした人たちも楽しめる企画を、今後考えたいという。例えば車の一時提供が可能なレンタカー会社やタクシー会社など、協賛可能な企業や団体を募っている。詳細は京都映画センター075(256)1707へ。