藤永さんが制作した和紙人形が並ぶ会場(日野町大窪・近江日野商人館)

藤永さんが制作した和紙人形が並ぶ会場(日野町大窪・近江日野商人館)

 昨年4月に90歳で亡くなった滋賀県日野町村井の人形作家藤永多津子さんが生前に制作した和紙人形全400点余りが、遺志に沿って同町大窪の近江日野商人館に寄せられた。色鮮やかな和紙で作られた芸舞妓やひな飾りなどの作品が、同館で展示されている。

 藤永さんと交流があった同館の満田良順館長(72)によると、藤永さんは60代で夫を亡くしてから、和紙人形の制作に取り組んだ。京都の和紙人形作家に弟子入りして指導を受けたという。

 同館で作品展を開催した縁で、生前の藤永さんから「作品を一括して保存してもらいたい」という申し出を受け、館で預かっていた作品をそのまま引き取ることになった。

 今回は寄贈品のうち、約320点を展示。多彩な千代紙で作られた高さ約30センチの人形は、扇子を持って舞う芸妓や角隠しをかぶった花嫁など華やかなものばかり。かんざしや傘などの小物、人形の髪も紙で表現されている。高さ約10センチの夫婦雛(びな)や五人ばやしなどのひな飾りも並ぶ。

 満田館長は「和紙の色合いや人形の立派さはもちろん、描写の細かさにも目を引かれる。日本の文化が詰まっている」と話す。

 展示は、同町の市街地一帯の観光施設や民家約150カ所でひな飾りを展示する「日野ひなまつり紀行」に合わせて行っている。3月10日まで。要入館料。午前9時~午後4時。