演技を終えた選手を迎える井村ヘッドコーチ(2019年4月・東京辰巳国際水泳場)

演技を終えた選手を迎える井村ヘッドコーチ(2019年4月・東京辰巳国際水泳場)

国際大会で演技する福村(中央左)と乾(同右)。演技の完成度を高めて来年夏の東京五輪に挑む=2019年4月・東京辰巳国際水泳場

国際大会で演技する福村(中央左)と乾(同右)。演技の完成度を高めて来年夏の東京五輪に挑む=2019年4月・東京辰巳国際水泳場

 来年夏の東京五輪で2大会連続のメダルを目指すアーティスティックスイミング(AS)日本代表。率いる井村雅代ヘッドコーチ(70)にとっては、指導者として10度目の五輪となる。正式種目となった1984年ロサンゼルス五輪から全大会を経験してきた井村。1年延期という事態にも「(延期で)落ち込むというのは、私には理解できない。競技スポーツは決められた日に向かっていくもの」と挑戦する姿勢はぶれない。

 新型コロナウイルスの影響で拠点だった施設が閉鎖され、個人宅のプールを借りたり、振り付けの練習をする空手道場などを転々。状況が落ち着き始めた頃、京都踏水会(京都市左京区)や京都アクアリーナ(右京区)で練習することができた。京都は井村の現役時代から縁があり、コーチとしての指導法を学んだ場所。「苦しい時にいっぱい助けてもらいました」と思い返す。

 京滋はASで多くの五輪選手を輩出してきた地でもある。今回も主将を務める乾友紀子(29)=近江兄弟社高―立命館大出=や京都踏水会出身の福村寿華(24)=鳥羽高―近畿大出=が代表入りし、連綿と伝統が継承されている。

 五輪史上初の延期に、井村は教え子へ呼び掛けた。「時間の分だけ進化して1年後を迎えよう」。その胸には、コロナ禍で気づいた感謝の念があるという。