免疫の仕組みを解説する坂口さん(長浜市大島町・長浜文化芸術会館)

免疫の仕組みを解説する坂口さん(長浜市大島町・長浜文化芸術会館)

 免疫学の世界的権威でノーベル生理医学賞候補といわれる大阪大栄誉教授、坂口志文さんの講演会「免疫学とこれからの社会」が27日、滋賀県長浜市大島町の長浜文化芸術会館で開かれた。坂口さんは自分を信じて進む勇気の大切さを若者らに訴えた。

 坂口さんは長浜市出身。長浜北高、京都大医学部を卒業した。1995年に免疫反応を抑制する制御性T細胞を発見。その後、同細胞をコントロールする遺伝子の働きも解明した。研究成果からアレルギーや臓器移植、がん治療への応用が期待されている。


 坂口さんは「免疫は病気を予防することができるが、一方でぜんそくや関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸炎などの自己免疫疾患も起こす。こうした自己免疫反応を抑制するのが制御性T細胞だ」と解説。「がんに対しても制御性T細胞をコントロールし免疫反応が起こせればがんは治療できる。それが現代医学の課題だ」と指摘した。


 その上で、自身の経験から「何事も時間はかかる。問題や課題と親しみ、じっくり長く付き合ってみよう」と信念を持ち続けることの大切さを情熱的に語りかけた。
 長浜市の市民団体「あしながほほえみプロジェクト」や同市などが主催し、市内の中高生ら約300人が招待された。