宇宙人といえば、灰色の肌に大きな黒い目を思い浮かべる人も多いのではないか。「グレイタイプ」と呼ばれるこの宇宙人のイメージはいまや、携帯電話の絵文字にもあるほどすっかり定着した▼一昔前の宇宙人の代表格といえば、英国の作家H・G・ウェルズの「宇宙戦争」に登場するタコのような「火星人」、そして戦後に空飛ぶ円盤ブームの火付け役となった米国人ジョージ・アダムスキーが接触したという、人間そっくりの「金星人」か▼その金星で、地球上では生物由来のガス「ホスフィン」が大気中から検出されたとの論文が今月に発表され、「地球外生命を示す上で、過去最大の進展」と米航空宇宙局(NASA)が評した▼火星は太古に川や海があった痕跡などから生命が存在した可能性が盛んに指摘される。他方、地上の温度が460度に達する過酷な環境の金星は、その存在が真剣に議論されることは1960年代の探査後、ほとんどなくなった▼今回の発見が、金星に生命体が存在する証拠とは一足飛びにはいえない。金星と地質学的・化学的条件こそ異なるが、木星や土星でもホスフィンが観測されており別の発生源・要因も考えられる▼移住計画もあり、火星ばかりが脚光を浴びがちだが、地球のもう一つの隣人にも改めて注目したい。