周辺にマンションが林立する南草津駅に停車する新快速(草津市)

周辺にマンションが林立する南草津駅に停車する新快速(草津市)

 京都鉄道博物館の岡本健一郎学芸員は「新快速は関西の鉄道輸送の軸として沿線の発展に寄与し、地域間の移動を通して関西圏という地域のまとまりを生んだ」と評価。その上で「今後は沿線との関係強化や車内空間のサービス充実が重視されるようになる」と展望する。

 JR西日本の京都―大阪間42・8キロを停車2駅、最速28分で駆け抜けるスピードを売りとする「新快速」は、京都より東の琵琶湖線(東海道線)では異なる顔を持つ。京都―米原間67・7キロは大津、草津、近江八幡など10駅にこまめに停車し、沿線住民の輸送を支えてきた。

 新快速がもたらした通勤・通学の利便向上で、京阪神のベッドタウンとして急発展した地域が滋賀県南部だ。かつて「新快速の停車」が市長選の候補者公約にもなった南草津駅(草津市)は、その象徴的存在と言える。

 同駅周辺では1994年に立命館大びわこ・くさつキャンパスが完成し、マンション開発も増加。学生と子育て世帯の移住で人口が増えた。住民や企業、大学などが6万人超の署名を集めてJR西に働きかけ、2011年3月のダイヤ改正で新快速停車が実現した。