まねき看板が上がった昨年の顔見世公演中の南座=2019年

まねき看板が上がった昨年の顔見世公演中の南座=2019年

 新型コロナウイルスの影響で開催が心配されていた、今年の京都・南座の「顔見世興行」が、例年の昼夜2部制から3部制に変えるなど感染予防策を講じた異例の形で開かれることが決まった。公演時間を各部2時間ほどに抑えて観客の滞在時間を短くする。公演期間も12月5~19日と短縮する。コロナ禍で公演中止が続いていた南座で、芝居が上演されるのは2月以来、10カ月ぶりになる。

 片岡仁左衛門(人間国宝)は第2部の「熊谷陣屋」のみに出演するなど、ほとんどの役者は1演目のみの出演にとどめる。部ごとに観客だけでなく出演者や楽屋スタッフも入れ替え、場内の消毒を施す。

 各部とも若手による舞踊の後、15分ほどの幕間(まくあい)(休憩時間)を挟み、1時間前後の芝居を上演する。観劇中も幕間も食事を控えてもらうといい、芝居見物の楽しみの一つである弁当を劇場で食べることはできなくなる。大向こうなどの掛け声も禁止する。

 第1部(午前10時半開演)は中村鷹之資(たかのすけ)が操り人形のように舞う「操り三番叟(さんばそう)」と、中村鴈治郎・中村扇雀兄弟が夫婦の情愛を見せる京・山科が舞台の「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)(吃又(どもまた))」をおくる。

 第2部(午後2時半開演)は、中村隼人と片岡千之助による「寿二人猩々(ことぶきににんしょうじょう)」の後、仁左衛門が南座では自らの襲名披露以来22年ぶりとなる「熊谷陣屋」の熊谷を演じる。仁左衛門の兄、片岡秀太郎(人間国宝)が藤の方で出演する。

 第3部(午後6時40分開演)は、尾上右近と中村米吉による「末広がり」と、松本幸四郎が京都で和事芸に挑む「廓(くるわ)文章吉田屋」がある。夕霧は中村壱(かず)太郎。

 南座の顔見世は例年、11月30日~12月26日の計27日間興行だが、12月5日~19日とする今年は、さらに12月11日を休演日とし、計14日間の開催となる。

 上方の大看板として、毎年出演してきた京都市出身の坂田藤十郎(人間国宝)は年末で89歳になる高齢もあり、今年は出演を見送る。

 チケットは11月15日発売。一等席1万6千円~三等席4千円。特別席1万7千円。松竹0570(000)489。

■演目と主な配役

 【第1部=午前10時半開演】(1)「操り三番叟」三番叟(中村鷹之資)、後見(澤村國矢)(2)「傾城反魂香」浮世又平(中村鴈治郎)、狩野雅楽之助(中村虎之介)、土佐将監(中村寿治郎)、土佐修理之助(上村吉太朗)、将監北の方(上村吉弥)、又平女房おとく(中村扇雀)

 【第2部=午後2時半開演】(1)「寿二人猩々」猩々(中村隼人、片岡千之助)、酒売り(中村亀鶴)(2)「熊谷陣屋」熊谷直実(片岡仁左衛門)、弥陀六(中村歌六)、熊谷妻相模(片岡孝太郎)、亀井六郎(隼人)、片岡八郎(千之助)、梶原景高(片岡松之助)、庄屋幸兵衛(坂東竹三郎)、堤軍次(片岡進之介)、源義経(中村錦之助)、藤の方(片岡秀太郎)

 【第3部=午後6時40分開演】(1)「末広がり」太郎冠者(尾上右近)、女大名(中村米吉)(2)「廓文章吉田屋」伊左衛門(松本幸四郎)、夕霧(中村壱太郎)