展示の決まった絵図が紹介された特別展の発表会(東京都台東区・東京国立博物館)

展示の決まった絵図が紹介された特別展の発表会(東京都台東区・東京国立博物館)

 37枚の絵図に分割された絵巻物の美に迫る特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」が今秋、京都市東山区の京都国立博物館で開かれる。掛け軸などにして各地に分散収蔵されている絵図を可能な限り一堂に集め、「日本美術史上の大事件」とされた1世紀前の歌仙絵分割の背景も紹介する。

 佐竹本三十六歌仙絵は旧秋田藩主・佐竹家が所蔵していた鎌倉時代の絵巻物。小野小町や紀貫之など平安時代の歌人36人の肖像画が、上下巻に18人ずつ描かれていた。

 1919(大正8)年に歌仙絵は売りに出されたが、高額な作品を単独購入できる人物が見つからず、当時の経済人たちは歌仙絵を分割して購入することを決断。下巻の「住吉大明神」図を含め、計37枚に分けられた。

 特別展ではこのうち坂上是則(重要文化財、文化庁蔵)や小大君(同、大和文華館蔵)など、現時点で28枚の絵図を展示する予定。分割された絵図の購入者を決める際に使われたくじや、三十六歌仙の和歌を集めた国宝の「三十六人家集」(西本願寺蔵)などの文化財もあわせ、約140点を公開する。

 15日に東京都内で特別展の発表会が開かれた。引き続き絵図の所有者に協力を求める方針で、京都国立博物館の佐々木丞平館長は「いずれの絵図も名品中の名品。できるだけ分割前の姿をお見せできるようにしたい」と話している。特別展は10月12日~11月24日。