1階廊下の屋根が剥がれ落ち、鉄骨周りのアスベストを含む吹き付け材がむき出しになっている

1階廊下の屋根が剥がれ落ち、鉄骨周りのアスベストを含む吹き付け材がむき出しになっている

 滋賀県野洲市野洲の老朽化した空き家マンションを巡り、市が対応に苦慮している。壁が崩れてがれきが散乱したり、鉄骨に吹き付けられたアスベストが露出して危険な状態だが、土地・建物の所有者の一部は連絡が取れず、自主解体の議論が進まない。行政代執行による解体にも踏み切れない中、周辺住民からは早急な対策を望む声が上がっている。都市計画やアスベスト問題に詳しい立命館大の石原一彦教授と現地を訪れ、話を聞いた。

 -マンションの危険性についてどう評価するか。

 建物の老朽化が激しく、非常に危険だ。上の階から何か崩れ落ち、いつ大惨事が起きてもおかしくない状況で、早急に解体すべきだ。

 -アスベストの危険性はどうか。

 検出されたクロシドライトはアスベストの中で最も発がん性が高い。今のところ健康被害がないから問題ないというものではなく、20~40年後に肺がんや中皮腫などの健康被害が出ることがある。

 -アスベストだけでも先に対処できないか。

 一般的には、アスベストに薬剤をかけ、飛散しないように固定化する対策が考えられるが、建物の老朽化が激しいため難しいと思われる。また、空き家対策特措法ではアスベストが飛散している危険な状況に対し緊急的に手が打てない。同様のケースは今後増える可能性があり、放置空き家のアスベスト対策の法制度をつくる議論が必要だ。