人通りもまばらな平日の京都市東山区四条通大和大路東入ル祇園町北側周辺。コロナ禍に伴う観光需要の減少が響き、地価上昇率が鈍化した

人通りもまばらな平日の京都市東山区四条通大和大路東入ル祇園町北側周辺。コロナ禍に伴う観光需要の減少が響き、地価上昇率が鈍化した

 京都府が発表した府内の基準地価(7月1日時点)では、京都市内で東山区・祇園など訪日外国人(インバウンド)に人気の観光地を中心に、軒並み上昇率が鈍化した。新型コロナウイルスによる影響が、京都の「観光バブル」に急ブレーキを掛けた格好だ。一方、オフィス需要のあるエリアは比較的堅調に推移しており、市中心部でも地域特性で明暗が分かれた。

 八坂神社に近い東山区四条通大和大路東入ル祇園町北側。ここ数年、インバウンドでにぎわいを見せていたエリアだが、9月に入っても平日は人通りが少ないままだ。近くの土産物店店主の駒井嘉人さん(51)は「テレビで見る嵐山などと比べ、祇園は人の戻りが少ない」と嘆く。

 同地点は旺盛な観光需要を追い風に、2019年には41・9%と府内最高、全国で6位の上昇率を記録した。今回調査でも19年7月~20年1月は13・6%の伸びを見せたが、その後の半年は8・0%の下落に転じた。

 周辺のレンタル着物店の店長は「9月の4連休で少し増えたが、客はまだ例年の1~2割程度」と厳しい事情を明かす。利用の半数を外国人客が占めていた時期もあったといい、「中国人客が増えた時は対応に戸惑ったこともあったけれど、今となっては懐かしい」と話す。

 こうしたコロナ禍の影響は広範囲に及ぶ。ここ数年、府内商業地の上昇率上位5位はいずれも20%以上の伸びを続けていたが、今回調査ではいずれも一桁台にとどまった。特に訪日客の多かった地域ほど落ち込みは顕著で、17年に上昇率府内トップ(29・6%)だった伏見稲荷大社に近い伏見区深草稲荷御前町は、前年から2・9%下落した。