東京パラリンピックの視覚障害者マラソンでメダルを狙う堀越(尼崎市・ベイコム陸上競技場)

東京パラリンピックの視覚障害者マラソンでメダルを狙う堀越(尼崎市・ベイコム陸上競技場)

 リオデジャネイロパラリンピックの男子視覚障害者マラソンで4位だった堀越信司(32)=NTT西日本=が、開幕まで1年を切った東京パラリンピックで悲願のメダルを見据えている。4度目のパラリンピックに挑むベテランは「世の中ががらっと変わりつつある中でも、できることは全部やり、自信を持ってスタートラインに立ちたい」と語る。

 昨年4月のロンドンマラソンでいち早く、東京パラの出場を内定させた。ペースの変化に落ち着いて対応し、2時間25分56秒の自己ベストでアジア記録を塗り替え、銅メダルを獲得した。「東京にも出るであろう選手と、しっかり勝負できた」。手応えをつかんだ大会だった。

 昨年7月に右膝を故障した。以来、回復と再発を繰り返してきた。それでも今年2月の別府大分毎日マラソンに挑んだ。給水所の机に激突して転倒するアクシデントを乗り越えて優勝。「どんな状況でも走りきる力をつけるのは大事」と不屈の精神を体現する。

 新型コロナウイルスの影響で東京パラは延期に。「とにかく中止ではなく、延期で良かった」としつつ、「しっかり体づくりに当てることができる」と前を向く。

 2011年からNTT西日本に所属。陸上部の寮がある京都府京田辺市を拠点に、他の部員とともに走り込んできたが、2年前から練習環境を変えた。「自分が納得する形で東京を狙いたい」と大阪市に引っ越して独自にトレーニングするようになった。日本代表の合宿以外では大阪城公園や近隣の陸上競技場で練習する。ペースを上げず長い距離を走るメニューを重視し、30歳を越えても成長を続ける。

 東京パラ最終日の来年9月5日に行われるマラソンへ向け「東京があるから競技にしがみついてきた」と強い決意を秘める。スポーツの祭典は、コロナ禍を乗り越える力になると信じている。「オリンピック、パラリンピックは夢の象徴。子どもたちの将来にとっても大きな存在となる」

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 ほりこし・ただし 長野市出身。先天性の網膜芽細胞腫により、右目の視力を失い、左目の視力は現在0・03。パラリンピックは、北京大会で1500メートルと5000メートルに出場。ロンドンは5000メートルで5位。リオデジャネイロはマラソンに出場して4位に入った。