住民が新調した前掛けをつける地蔵。お参りする人も相次いでいるという(向日市寺戸町)

住民が新調した前掛けをつける地蔵。お参りする人も相次いでいるという(向日市寺戸町)

町内会が初めて企画した催しに参加し、意見を交わす住民たち

町内会が初めて企画した催しに参加し、意見を交わす住民たち

 京都府向日市内のマンションの片隅に置かれていた地蔵の世話を住民が始め、8月に初めて地蔵盆を実施した。京都の伝統行事も今年は新型コロナウイルス感染拡大が追い打ちを掛ける中、対策を講じた上で「おじぞうさん」とともに子どもたちの健やかな成長を願うことを決めた。

 地蔵は、2018年に完成したマンション「グランマークシティ東向日駅前」(同市寺戸町)近くの駐車場の片隅にある。建設時に敷地内から見つかり、開発業者がほこらを作って移設した。詳しい由来は分かっていない。

 住民たちは深刻化する災害に備えて連携を深めようと今夏、町内会を結成した。最初の活動として、気がかりだった地蔵へ、感謝の気持ちを込めた地蔵盆を計画した。

 8月29日に「夏まつり&住民交流会」と銘打って行われた。赤い前掛けが新調された地蔵の前で、近くにある聖衆山来迎寺の福井隆和住職(58)が読経。参加者が無病息災と子どもたちの成長を祈願した。検温やマスク着用、一定間隔の厳守などをした上で、マンション内では交流イベントも催された。

 福井住職によると、少子化の影響や世話役の負担から、地蔵盆を中止する地域が相次ぐ。今年は新型コロナ拡大で「3密」への懸念から取りやめるケースもあり、「地蔵盆は地域のつながりや世代を超えた交流を生む機会でもある。ご縁があってよかった」と話す。

 地蔵盆は来年以降も継続する予定。町内会役員の男性(41)は「昔からあったお地蔵さんが、新しい住民をつなぐシンボルになれば」と思いを寄せた。