テイクアウトの客がひっきりなしに訪れる店頭(30日午前11時39分、京都市中京区・餃子の王将「四条大宮店」)

テイクアウトの客がひっきりなしに訪れる店頭(30日午前11時39分、京都市中京区・餃子の王将「四条大宮店」)

 消費税が8%から10%に引き上げられ、1日で1年がたった。増税後は個人消費が失速し、その後の新型コロナウイルスの感染拡大で企業業績は急激に悪化。多くの小売店や飲食店はこの1年で増税とコロナの二つの衝撃に見舞われ、需要の低迷に苦しんでいる。

■訪日客消失、高額品離れ…回復見通せず

 「2桁の税率は大きい。税金で1割も徴収されるため、お客さんの負担感は強まった」。京都市中京区の眼鏡店の4代目店主の男性(73)は話す。増税直前の昨年9月は、駆け込み購入で売り上げが前年に比べて2割伸びた半面、10月以降は2割の落ち込みが続いた。

 地元客の消費意欲が減退する中、頼みは日本製のサングラスなどを求める訪日旅行客だった。春と秋の観光シーズンは顧客の3割を訪日客が占めていたが、コロナ禍で消失。1892年の創業以来、何度も危機を乗り越えた老舗でも「二つのショックが立て続けに起きたことは記憶にない」(店主の男性)と漏らす。

 増税の反動は想定以上だった。如実に表れたのが、高額品を扱う百貨店だ。京都市内4百貨店の昨年10月の総売上高は、前年同月比16・5%減。大丸山科店が閉店したとはいえ、額にして約30億円の消費が吹き飛んだ。今年1月に4・4%減まで戻ったが、4、5月の緊急事態宣言に伴う臨時休業が追い打ちを掛けた。直近の8月も同24・7%減と大幅に下回ったままで、回復の糸口を見いだせずにいる。

 政府が用意した、すまい給付金の拡充や住宅ローン減税の延長などの景気対策も、消費の急冷を止められなかった。住宅販売のエルハウジング(右京区)によると、増税前の駆け込み需要がほぼ見られなかった一方、増税直後は成約件数が1割以上落ち込んだ。佐々木博樹取締役は「想定はしていたが、消費マインドを冷え込ませる威力は十分だった」と語る。