今回の増税の大きな特徴は、飲食料品の税率を据え置く軽減税率だ。外食でも店内飲食は税率を10%に引き上げる一方、持ち帰りや宅配は8%とした。

 外食チェーンは持ち帰りと宅配を強化し、2%の差を縮める取り組みに腐心した。今春以降はコロナ禍で外出自粛が広がり、結果的に「巣ごもり」など消費行動の変化への適応にもつながった。

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(山科区)は、コロナ禍前に2割弱だった持ち帰りと宅配の比率が3割に伸びた。4月の全直営店の売上高は前年から2割以上落ち込んだが、両者が業績を下支えした。「将来的にお客さんの4割は店外で食べるようになる」。渡辺直人社長は増税後に変化した消費者ニーズが定着するとみる。

 2%の税率上昇は、日本経済に大きな打撃を及ぼした。2019年10~12月期の実質経済成長率は年率換算マイナス7・0%となり、14年の前回増税以来となる5年半ぶりの悪化幅を記録。そこにコロナ禍が重なり、今年4~6月期は戦後最悪となるマイナス28・1%に急落した。

 だが、国内景気は米中貿易摩擦などの影響で18年11月から後退局面に入っていたことが、政府の有識者研究会によって今年7月に認定された。第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「悪循環の中で増税し、コロナ禍が加わって日本経済は『三重苦』となった。アベノミクスの最大の失敗は消費税増税だ」と断じる。