不義理や不面目があって、その人の家に行きにくい…というのが「敷居が高い」の本来の意味だ。現在では「上品、高級すぎて入りにくい」の意味で使う人が多い▼そんなイメージの代表例が京の花街である。入りたくても「いちげんさんお断り」と言われないかとためらい、結局足が遠のいたまま、という人は少なくあるまい▼こちらの敷居は相当な高さではないか。草津市矢橋地区の森脇町内会だ。新規入会者に60万円の納入を求める内規を定めていると本紙滋賀版で報じたところ、ネット上でも大きな反響を呼んだ▼高額入会費を求めたきっかけは、14年前の集会所建設経費だ。当時、1戸当たり60万円を各世帯が負担したので転入者にも同額を、となった。一括払いが無理なら最長3年間の分割払いまで定めている▼建物の完成から年月が経過し、内規を疑問視する住民もいるが、「払ってもらうのが平等」との声が大多数だという。住民らによる決め事とはいえ、他の町内会より金額が突出していることは明らかだ▼町内会は、防災や世代間交流など多様な役割を担っている。重すぎる負担は新たな加入をためらわせることにならないか。大切なコミュニティー組織を事実上の「いちげんさんお断り」にするわけにはいくまい。知恵を絞りたいところだ。