新型コロナウイルスの猛威が世界を脅かし続けている。

 米大学の集計で、新型コロナによる死者が世界全体で100万人を超えたことが分かった。感染者も3300万人を突破した。

 最初の感染者の確認から約9カ月で、三大感染症に数えられるマラリアとエイズの年間死者数を上回った。死者は2~3週間で10万人増える状況で、年内に結核の150万人を超えるおそれがある。

 世界保健機関(WHO)はワクチン完成の前に200万人に達する可能性も否定できないとしている。世界規模での感染拡大を防ぎ、社会経済活動とどう両立させていくのか。国際社会が足並みをそろえて取り組む必要がある。

 国別の死者数は、20万人を超えた米国が最も多く、ブラジル14万人超、インド約10万人と続く。特に、インドは1日当たりの死者数が千人を上回り世界最多だ。

 累計死者数の3割超を南米が占めるなど、新興国で死者数増加に歯止めがかかっていない。背景に貧困や脆弱(ぜいじゃく)な医療体制があることは否めないだろう。

 だが、先進国でも新規感染者数が再び増加に転じている。医療現場に負荷がかかり、重症者の治療が手薄になって死者が増えかねないと懸念されている。

 欧州では、外出禁止措置の緩和や経済活動の再開が本格化した8月以降、人の移動が活発になり、スペインやフランスで感染者が急増した。ハンガリーは国境の再封鎖に踏み切った。自国中心の対応だけでは感染の封じ込めに限界があることを示していよう。

 コロナ対応を巡っては、各国がワクチン開発に共同出資し、購入する枠組み「COVAX(コバックス)」に、日本を含む150カ国以上が参加表明している。途上国へのワクチン普及を念頭に国際協調する動きだが、WHOを脱退した米国や、自国で開発し独自提供を目指す中国、ロシアは参加していない。

 日本政府はこうした取り組みで主導的な役割を果たし、多くの国の参加で事業が推進できるよう力を尽くしてほしい。

 国内ではきょうから、政府の観光支援事業「Go To トラベル」に東京都発着の旅行が追加された。ビジネスなどで中長期間滞在する外国人を対象に入国制限も緩和された。

 人の往来再開には感染再燃のリスクが伴う。世界の感染動向を丁寧に分析し、各国と課題や対策を共有していくことが重要になる。