深夜の生放送で、ゲストとのトークを繰り広げる岩木さん(左)。パブの店内がサテライトスタジオだ=長岡京市開田3丁目

深夜の生放送で、ゲストとのトークを繰り広げる岩木さん(左)。パブの店内がサテライトスタジオだ=長岡京市開田3丁目

戦国武将らになりきって出演する「京都・長岡京おもてなし武将隊つつじ」(長岡京市・FMおとくにメインスタジオ)

戦国武将らになりきって出演する「京都・長岡京おもてなし武将隊つつじ」(長岡京市・FMおとくにメインスタジオ)

 終電が走り去り、酔客の姿もすっかりまばらになった京都府長岡京市の阪急長岡天神駅前の通りからは、笑いに包まれて盛り上がるパブの店内の様子がうかがえる。そこは、乙訓地域をエリアとする「FMおとくに」(86・2メガヘルツ)の第3スタジオ。全国に数多くあるコミュニティーFM局で、3カ所ものスタジオの設置も、深夜の生放送も、ともにお手本などない挑戦だった。

 「あいまいな感じでエンディングになる映画があるやん。あれ一番嫌い」、「なんでやねん。ふわーっとしてるからこそええんや。説明のし過ぎはあかんで」…。トークの話題は、映画から芸能界の裏話、人気アニメのガンダム、サウナ、恋愛など毎回変わる。毎週金曜「25時」に始まる「フライデーナイトクラブ」は、第3スタジオがあるパブの経営者でもある岩木勝二さん(56)がパーソナリティー。ミュージシャンなどの「業界人」からパブの常連まで多彩なゲストを迎え、2時間にわたって「台本なしで、うだうだとしゃべる」。放送中にもツイッターには続々とファンからのメッセージが寄せられ、「王道を行く深夜放送」として人気が高まっている。

 第3スタジオの開設は昨年12月。FMおとくには2018年12月の開局と同時に、長岡京市と向日市の2カ所にスタジオを設けたが、ともに公共施設と商業施設内にあるため夜間の立ち入りができない。「生放送を大事にしたい。24時間の災害放送にも対応できる」との同局の熱意が「夜のスタジオ」の新設へと動かした。

 「経費がかさむサテライトスタジオは置くべからず」。財政基盤が弱いコミュニティーFM局の関係者の間で語られる「戒め」とは正反対の経営だが、同局専務理事の木本直樹さん(57)は「多くの人に聴いてもらい、広告収入も増やすためには認知度を上げるしかない。そのための取り組みとしては成功している」と胸を張る。

■明智光秀やガラシャ熱演 「わしの謀反、どう思ったのじゃ?」

 明智光秀と細川ガラシャ(玉子)、細川忠興が、FMおとくにのスタジオでよみがえる-。番組「戦国電信茶屋」は、長岡京市にゆかりのある3人になりきったパーソナリティーが、戦国時代の雰囲気を醸し出す90分間の生放送だ。