アルコール依存症について学ぶ市民向けセミナーが16日、滋賀県栗東市綣2丁目のウィングプラザで開かれた。経験者や家族の赤裸々な話に、約60人が聞き入った。

 依存症者やその家族の自助グループ「県断酒同友会」が、依存症の正しい知識を伝え、同会を知ってもらうきっかけにと2010年から県内各地で開いている。

 登壇した会員男性(68)は「近所で幼い娘を遊ばせながらも缶ビールを飲んでいた。朝に39度の熱を出したり下痢になったりして会社に行けず、このままでは破滅すると思った」と過去を振り返った。

 夫が飲酒運転で懲戒免職になったという会員女性(64)は「飲んでも『飲んでない』と答えるので夫が信じられなくなっていた。入会して断酒の大変さが理解できた」と話した。

 県立精神医療センター(草津市)の濱川浩精神科部長も講演し、「現代医学で依存症は治せず、断酒の支援しかできない。一人で断酒は難しく、仲間と取り組むことが大事」と周囲の理解と支援を訴えた。