「味香服」で、何のだしかを考える子どもたち(宇治田原町岩山・維孝館中)

「味香服」で、何のだしかを考える子どもたち(宇治田原町岩山・維孝館中)

 原木シイタケ産地の一つ、宇治田原町で、シイタケの魅力に触れる催しが今月、相次いで行われた。生産者は高い品質に自信を持っており、緑茶に続く宇治田原ブランドとして期待も高い。

 湯飲みに入った無色透明な液体を、子どもたちが匂いを確かめて口に運ぶ。

 「シイタケや!」

 茶香服(ちゃかぶき)のようにだしの違いを当てる「味香服(みかぶき)」の催し。同町在住の高校生や大学生らが子どもたちに向けて勉強会やイベントを開く団体「茶ッピー未来基金」が10日に初めて催した。

 城陽高2年の井山風花さん(17)=同町田原=が、昔から大好きなシイタケの魅力を子どもたちに伝えようと企画した。昆布やかつお節、煮干しなどと違ううまみがあることを学んだ後、町内産のシイタケでグラタンやキノコご飯を作って味わった。

 井山さんは「嫌いだからって細かくしてごまかすんじゃなく、おいしく調理して食べてほしい」と話す。

 町内の山林を整備してまきを作る市民グループ「まきクラブ」は14日、原木にシイタケの菌を打ち込む「菌打ち」のイベントを開いた。町内外から10人ほどが参加し、台風で倒れたクヌギやコナラの木に菌を植えた。京都市西京区の日根伸夫さん(67)は「山をきれいにしながらイベントに参加できるのは楽しい。収穫が楽しみ」と笑顔を見せる。

 シイタケは、おがくずに菌と栄養剤などを入れて短期間で育てる菌床栽培が市場の大半を占めるが、同町に4軒あるシイタケ農家は全て原木栽培。コストや手間はかかるが、味や香り、食感は格別だ。

 祖父の代からシイタケ農家を続ける中辻農園の中辻政隆代表(46)は「霧が出るなどお茶の栽培に向いた場所はシイタケ栽培にも適している」と話す。「菌床栽培とは全く味が違い、キノコ嫌いな子でも町産のシイタケは『おいしい』と食べたりする」という。

 町産シイタケは、ふるさと納税の返礼品として町から「推しメン(イチ推しメンバー)」の一つにも選ばれている。「シイタケは毎年人気。全品目の中で4番目に多かった年もある」(町企画財政課)という。シイタケだけでなく、植菌体験をした原木のオーナーになれる返礼品もあり、町と農園のコラボも進んでいる。