カドヘリンとは

カドヘリンとは

 カドヘリンは細胞膜にあるタンパク質で、カルシウムイオンが作用することで細胞同士を接着させる。カドヘリンというタンパク質を特定するまでには、端緒となる発見から約10年がかかった。


 竹市氏は1970年代の米国留学中、細胞が接着せずにバラバラのままでいる現象を発見。原因を調べると、実験試薬の組成が日本で使っていたのと異なっていた。この「気付き」をきっかけとして、細胞がくっつくためにカルシウムイオンに依存して働く仕組みがあることを見いだした。


 その後、京大に戻ってからも研究を続け、カルシウムイオンの作用するタンパク質を特定した。1984年に発表した論文で「カルシウム(calcium)」と「くっつく(adhere)」という英語から「カドヘリン(cadherin)」と名付けた。


 その後も、カドヘリンに作用する別のタンパク質の研究を京大の故月田承一郎教授と共同研究するなど細胞接着の探究を続けた。神経や上皮など組織によってカドヘリンの種類が違うことも判明。がんの転移との関係や神経シナプスの形成での役割もあり、医療への応用も期待されている。