「いくら注意しても感染が広がることはある。完璧に品行方正な人はいない。クラスターが発生した施設は自省し、対策を取っているはずだ。社会はその事例から学ぶことが大事なはずだが、責めては学ぶことができず、地域社会で余計なストレスを生むだけだ。差別を生まない寛容な地域社会を築けているかどうかが大切で、起きている事象は地域の実情を映す鏡なのかもしれない


 -なぜ差別や中傷がなくならないのか。
 「近年格差が広がり、他人に対して厳しい社会になっていることが一因にあると思う。自分は安全な立場にいながら誰かを悪者にして批判する風潮が強まっている。人を責めてもいつか自分がその立場になるかもしれない。コロナから生き残っても他人を信用しない社会が残っては良くない。『大変やったね』と他人を思いやる社会にみんなで変えていきたい」

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 わたなべ・よしゆき 1978年京都府立医科大卒、98年同大学教授。府中丹東保健所長、府立医大副学長、府保健医療対策監などを経て2019年4月から現職。