太陽や風力といった再生可能エネルギーの主力電源化に向けた政府の動きが、遅ればせながら活発になってきた。

 経済産業省は包括政策を策定するため、今夏から有識者会議で議論を進めている。

 再生エネの新しい買い取り制度の導入や蓄電池の普及拡大、送電線の活用ルールの見直しなどを図る方針だ。

 特に洋上風力発電が普及の鍵を握るとみて、国土交通省と立ち上げた官民協議会で産業育成などの課題を検討している。

 梶山弘志経産相は2040年に3千万キロワット超の規模まで広げたい意向で、年内にも投資を呼び込むための具体的な導入見通しを示す考えだ。

 地球温暖化防止や電力の安定供給に向け、再生エネ導入は時代の大きな要請だが、日本は海外に比べ取り組みが周回遅れとなっている。

 官民一体で着実な普及につなげなければならない。

 日本の発電量に占める再生エネの比率は、2018年度に17%となり、10年度の9%からほぼ倍増となった。

 東京電力福島第1原発事故を機に、固定価格買い取り制度(FIT)で再生エネの導入を促したことが大きい。

 だが、30%前後を占める欧州などと比べると、見劣りは否めず、二酸化炭素(CO2)の排出が多い石炭火力発電に依存する日本への風当たりは強い。

 政府が原発を「ベースロード電源」と位置づけ、固執してきた再稼働は、規制強化などで思うように進んでいない。事故リスクを考慮すると、安く安定した電源という優位性も失いつつある。

 再生エネは急速な普及で発電コストが低下しており、主力電源にしていく動きは、もはや避けられない世界の潮流だ。

 政府が力を入れようとしている洋上風力発電は、海に囲まれた日本にとって潜在力の高い電源といえる。

 関連設備の部品が1万~2万点に上るなど経済面で大きな波及効果も見込める。

 だが先行する欧州の洋上風力は水深の浅い海底に敷設する「着床式」が多いのに対し、日本は遠浅の海が少なく、海に浮かべる「浮体式」が中心になるとみられる。

 日本の厳しい海洋気象の中で浮体式の導入を進めるには、信頼性の高い浮体と施工法を確立し、現時点で割高なコストをどう低減できるかが課題になりそうだ。

 再生エネ拡大に向け、求められるのは官民の協力と何より政治のリーダーシップである。

 政府は来年にかけてエネルギー基本計画を見直す。再生エネの30年度の電源構成目標をどこまで高めるかが、政府の本気度を測る試金石になるのではないか。

 18年に閣議決定された現行目標は22~24%とし、原発は20~22%とする従来目標を維持したが、さほど変わらないようでは腰が引けているとみられよう。

 自治体や経済界からは、40%超や45%超を求める提言が相次いでいる。

 拡大を求める社会の機運を冷まさないようにしたい。