澤井さんが保管してきた1948年の京都新聞号外。東京裁判で死刑判決を受けたA級戦犯7人の刑執行を速報し、この日に向けたマッカーサーの声明も掲載している

澤井さんが保管してきた1948年の京都新聞号外。東京裁判で死刑判決を受けたA級戦犯7人の刑執行を速報し、この日に向けたマッカーサーの声明も掲載している

感謝状贈呈に際し、集めてきた新聞のことを奥田市長(左)に説明する澤井さん=京都府城陽市役所

感謝状贈呈に際し、集めてきた新聞のことを奥田市長(左)に説明する澤井さん=京都府城陽市役所

 京都府城陽市寺田の男性が、1928(昭和3)年から2011(平成23)年までの重要事件が掲載された新聞1907点を、市歴史民俗資料館に寄贈した。1928年の昭和天皇の「御大典」や53年の南山城水害、64年の東京五輪での日本勢の活躍を報じたニュースなどが収められており、貴重な号外もある。資料館は市民のコレクションを紹介する企画展で一部を展示し、今後も展示や調査活動に活用していく。

 海外で植林を手掛けるNGO「N.GKS」代表の澤井敏郎さん(87)。小学1年の時に新聞を集め始めた。自宅にあった新聞や、建材メーカーに勤めて福井や東京などに赴任した際に接した現地の新聞を収集。趣味の切手収集とも相まって、「暖房は紙に良くない」と、自室ではエアコンも付けず大切に保管してきた。

 寄贈した新聞は全国紙のほか、福井県や福島県の地元紙、スポーツ紙、業界紙など多岐にわたる。内容も、重大ニュースを速報した紙面にとどまらず、戦後史を振り返る企画記事なども含んでいる。大事件の記録をきちんと残しておこうと考えた新聞の保管だったが、自身が高齢となったため、今後の散逸を懸念して寄贈を申し出た。

 寄贈後も、手元に数点を残している。戦後の東京裁判で戦犯とされた7人の死刑執行を報じる48年の京都新聞号外は黒、赤、緑の3色刷りで、連合国軍最高司令官・マッカーサーの声明も掲載。日中戦争での日本軍の漢口占領を伝える38年10月の大阪朝日新聞は、「皇軍萬歳」の大きな文字と、日本の国旗や旭日旗の赤が目を引く。

 これらも、近く寄贈する意向だ。市から感謝状を贈られた澤井さんは「1枚の紙になってすっきりした」と独特の言葉で喜びを表現した。