河内さんが府立植物園で撮影したイボクサの花。中央に三つある紫色の仮雄蕊が、ハートの形に見える

河内さんが府立植物園で撮影したイボクサの花。中央に三つある紫色の仮雄蕊が、ハートの形に見える

極小の仮雄蕊を見られるよう、ルーペを置いている(京都市左京区・府立植物園)

極小の仮雄蕊を見られるよう、ルーペを置いている(京都市左京区・府立植物園)

 花の中にある「ハート」を探してみて―。京都府立植物園(京都市左京区)で展示しているイボクサのおしべの一種が、ハートの形をしていることが来園者の指摘で分かり、注目を集めている。極小の愛らしい姿を多くの人に見てもらおうと、同園はルーペを設置し、展示期間も急きょ延長することにした。

 イボクサはツユクサ科の水草。1・5センチほどの花が咲き、その中に「仮雄蕊(かゆうずい)」と呼ばれる花粉の出ない紫色のおしべが三つ付く。

 ハートの形をした仮雄蕊に気付いたのは、夫婦で同園に年間100日以上訪れるという河内二三夫さん(70)=左京区。写真を撮る中で以前に偶然見つけたといい、花が咲く季節になると形の良い三つのハートを求め1時間ほど撮影に熱中することもあるという。

 9月に河内さんからハートの存在を伝えられた園職員は「これまで全く気付かなかった。これほど熱心に観察していただいてありがたい」と話す。

 イボクサを含む水草展は既に終わったが、この鉢植えのみ園内の「四季彩の丘」で引き続き展示する。仮雄蕊は1ミリほどと極めて小さいため観察用にルーペを用意したほか、撮影する際にはマクロレンズの使用がお薦めという。見頃は今月中旬までで、昼すぎには花が閉じる。

 河内さんは「見る角度によっても形や表情は変わる。構造の妙を楽しんでほしい」と呼び掛けている。