京都市が本年度から導入した新手法で剪定された街路樹。葉を適度に残すことで、年1回の剪定でも紅葉が楽しめ、落ち葉清掃の負担も増やさない(京都市伏見区)

京都市が本年度から導入した新手法で剪定された街路樹。葉を適度に残すことで、年1回の剪定でも紅葉が楽しめ、落ち葉清掃の負担も増やさない(京都市伏見区)

 紅葉シーズンに色づく街路樹の葉を残しつつ、作業の費用を削減しようと、京都市が本年度から剪定(せんてい)方法を改めた。年2回だった作業を1回に減らすことによって、費用が約3割カットできるという。剪定回数を減らす分、1回当たりたくさん刈り込むことになるが、市は「紅葉を楽しんでもらえる最低限の葉は残す」として新手法への理解を求めている。

 市が管理する街路樹は約4万本あり、このうちイチョウやトウカエデなどの紅葉樹は約1万8千本。かつては落ち葉を掃除する沿道の住民の負担を減らすため、紅葉前に全ての葉を切り落としていた。しかし、観光客らから「寺社だけでなく、街路樹の紅葉も楽しみたい」との要望があったため、市は2011年度から、9~11月に葉の量を半分にし、1~2月に枝を切りそろえる「2段階剪定」を導入した。

 だが、剪定を2回行うため費用はその分膨らむ。近年は人手不足による労務費の上昇もあって従来の約2倍になった。市財政は19年度末に貯金に当たる財政調整基金が底を尽きるほど厳しく、街路樹管理もコストカットを迫られていた。

 市は16年度から府内の街路樹剪定士らと合同で試行を繰り返した結果、葉の隙間から背景の建物が見えるほどの枝葉の量であれば、年1回の剪定で、紅葉も楽しめつつ、落ち葉掃除の負担も増やさないとの結論に行き着いた。既に今秋から一部路線で始めている。新手法を採用した本年度の費用は4900万円を見込んでおり、従来より2千万円減らせるという。

 一方、2段階剪定より紅葉前に多くの枝葉を切り落とすため、紅葉を楽しみにしている市民や観光客が残念がることも予想される。市みどり政策推進室は「若い枝葉を残すため、樹形は2段階剪定時よりも柔らかく、はんなりとした印象に変わる。美しい紅葉は継続できる」と理解を求めている。