京都市で史上2番目の暴風を記録した2年前の台風21号で、吹き飛ばされて郵便局の屋根に落下したプレハブ施設(2018年9月4日、京都市南区)

京都市で史上2番目の暴風を記録した2年前の台風21号で、吹き飛ばされて郵便局の屋根に落下したプレハブ施設(2018年9月4日、京都市南区)

気象台が引用する過去の災害

気象台が引用する過去の災害

 京都・彦根の両地方気象台は今秋から、京都府や滋賀県で特別警報級の大雨や記録的暴風が予想される際、過去に大きな被害をもたらした風水害を目安として引用し、警戒を呼び掛ける。前例に取り上げるのは、由良川や桂川が氾濫して京滋に全国初の大雨特別警報が出た「2013年台風18号」などで、災害が予想される前日や前々日に情報発信し、住民の避難や備えを促す。

 京都地方気象台は、13年台風18号のほか、府北部で15人が犠牲になった「04年台風23号」、府内に大雨特別警報が出た「18年西日本豪雨」、京都市で史上2位の最大瞬間風速を記録した「18年台風21号」の4災害を引用する。彦根地方気象台は、13年台風18号と18年台風21号の2災害を例示する。

 実際に重大な災害が迫った場合は、両地方気象台が、府県単位で発表する気象情報や記者会見などで過去の災害との類似点を説明し、「匹敵する被害が予想される」などと注意を喚起する。可能な限り前日や前々日に発信するという。

 一方、半世紀以上前に京滋で死者・不明者200人以上の被害を出した室戸台風(1934年)や南山城大水害(53年)などは引用しない。両地方気象台は「室戸台風などは記憶にない若い世代も多い。当時とは防災インフラの状況も異なるため、近年の災害に絞った」と説明している。今後、引用する災害を見直す可能性もあるという。

 両気象台は「速やかな安全確保や避難に生かしてほしい」とした上で、「過去と同じ地域で同じ被害が出るわけではない。気象庁ホームページの『危険度分布』などで、最新の気象情報や自分の住む地域の状況を確認してもらいたい」としている。

 気象庁は、防災情報の伝達方法を改善するため、全国の気象台で地元に特化した過去の災害事例の引用を進めている。