引き揚げ者に出されたメニューを再現した給食を味わう児童たち(舞鶴市下福井・福井小)

引き揚げ者に出されたメニューを再現した給食を味わう児童たち(舞鶴市下福井・福井小)

 シベリア抑留者などを迎えた舞鶴地方引揚援護局で出された給食を再現したメニューを、京都府舞鶴市の全小中学校で提供する取り組みが始まった。地元産アジやカレー汁が出され、子どもたちが苦難を越え、たどり着いた舞鶴でのおもてなしの味をかみしめた。

 同市は、最初の引揚船が1945年に舞鶴港に入港した日を「舞鶴引き揚げの日」(10月7日)と定めている。給食は、この日の認知度を高め、次世代への継承につなげようと初めて企画した。

 同援護局は、引き揚げ者が帰国の手続きを行うために数日間滞在した施設で同市平にあった。メニューは、局史に掲載されている中から栄養や調理面を考えて選んだ。ソ連本土のシベリア抑留者の帰還が終わり、樺太からの最後の引き揚げ者が舞鶴に上陸した58年の献立を参考にした。

 下福井の福井小では5日、アジの天ぷらや、牛肉やジャガイモなどの入ったカレー汁が出され、児童たちが味わった。6年の男子児童(11)は「おいしかった。引き揚げた方はこのメニューを食べてうれしかったのでは。これからも引き揚げのことを勉強し、忘れないようにしたい」と話した。中西一就校長は「苦しい立場の人たちにおもてなしの心を持って接した市民の思いを知り、古里への誇りにつながれば」と願っていた。