読書会で翻訳本の要約内容を読み上げる参加者(京都市中京区・mumokutekiホール)

読書会で翻訳本の要約内容を読み上げる参加者(京都市中京区・mumokutekiホール)

 上下関係も、戦略的事業計画もなく、従業員の満足度が高い-。そんなユニークな組織形態「ティール組織」に注目が集まっている。ベルギー人の元経営コンサルタントが著書で提唱、昨年に日本語訳本が発行された。京都でもNPO法人が読書会を通じて普及に力を入れていて、組織のあり方に一石を投じる考え方に関心が高まっている。

 1月中旬、京都市中京区でティール組織を紹介する本の読書会があった。

 「約1万人の職員が働くオランダ最大の在宅ケア組織には上司がおらず、業務上のチームは自主的に編成され、全員で管理業務に取り組んでいる」。これまでにない概念の組織が語られる内容に、参加した経営者や自治体職員など約30人が熱心に聞き入った。

 ティール組織とは、新たな働き方で従業員の高い満足度を実現している会社などに共通する組織形態を指す。元経営コンサルタントのフレデリック・ラルー氏が3年にわたる企業調査で見つけた。

 特徴は、従業員に上下関係がなく誰でも意思決定できる▽中長期計画を設けず目の前のニーズに臨機応変に対応する▽従業員がありのままの自分でいられる職場環境をつくる-など。利益を追求するのではなく、存在目的を探求しながら事業活動を柔軟に変える運営形態が注目され、昨年1月に日本語版が出版されたラルー氏の著書「ティール組織」は世界的に話題となっている。

 京都での読書会を主催したのは、組織研究を行う上京区のNPO法人「ホームズビー」。嘉村賢州代表(37)は3年ほど前からティール組織を研究し、翻訳本では解説を担当した。

 嘉村代表はティール組織について「『従業員に当事者意識がない』『部署間のトラブルが絶えない』といった日本企業の課題解決に活用できるのではないか」と語る。その上で「自分らしく生き生きと働ける職場づくりのヒントになる。多くの人に知ってもらいたい」と話し、今後も読書会や研究報告会を行う予定だ。