包装から梱包、宛名貼りまで一貫して行える「PACK IN BOX SYSTEM」の一部

包装から梱包、宛名貼りまで一貫して行える「PACK IN BOX SYSTEM」の一部

 インターネットによる通販サイトの普及で、家庭に宅配される荷物が急増している。それらの本や雑貨などさまざまな商品をフィルムで包み、段ボールで梱包(こんぽう)、宛名貼りまで一気にこなすニッサンキコーの全自動化機器「PACK IN BOX SYSTEM」が現代のニーズに合致した。効率化を図る大手ネット通販業者を中心に相次ぎ採用され、用途を広げている。

 宅配される荷物内の商品は安価なフィルムで固定するため、緩衝材を使わずにコストを大幅に削減できる。時代に即して応用した技術が評価され、京都産業21が主催する本年度の「京都中小企業技術大賞」に選ばれ、注目度が高まっている。

 商品をフィルムで巻き、熱で収縮させ、融着する「シュリンク包装」を得意とする企業として成長してきた。会社の草創期は、段ボールでの輸送が常識だった製品に次々とフィルム包装を持ち込んだ。アルミサッシ、物干しざお、電線、反物などをフィルム包装にすると、箱での輸送と違ってばらけずに傷が付かないと好評だった。何よりも段ボールと比べてコストが安く、中身も見えることが長所となり、工業や織物業の分野で自動化機器の採用が広がった。

 さらなる転機となったのが、1984年のグリコ森永事件だった。店舗に並ぶ菓子の安全が求められ、多くの食品に個別フィルム包装の需要が拡大し、シュリンク包装技術があらゆるモノに応用できるようになった。

 現在もネット通販が手がける衣類を包装する機械などに幅を広げ、取引先の要望に応じた受注生産であらゆる商品を包む機械を作り続けている。大浦之博社長(56)は「最初はニッチだった分野から一つの業界に特化せず、時代ごとにマッチした業界で生かされてさまざまな製品に対応できるようになった。今後は海外も視野に製品販売を伸ばしていきたい」と意気込んでいる。

 <ニッサンキコー> 前身の日本産業機械から1977年に社名変更して設立。シュリンク包装機を中心に、フィルム包装機械の設計、製造、販売を手がける。2018年3月期の売上高11億5400万円。従業員は約70人。宇治市槙島町。