京都市京セラ美術館開館記念展

江戸から現代へ 美の系譜総覧

 18世紀京都画壇の隆盛から明治維新、第2次世界大戦を経て現代へ。京都の美術は時代の激変にもまれながらも、伝統を土台に新たな表現を追求してきた。京都市京セラ美術館(京都市左京区)の開館記念展「京都の美術 250年の夢」は、この間の日本画、洋画、書、彫刻、工芸計257点を3部構成で紹介する壮大な試みだ。

上村松園「娘」1926年 松伯美術館蔵 10月10日~25日展示

 当初、4月~12月にかけて3回に分け公開する予定だったが、コロナ禍のため総集編として1回の展覧会にまとめた。

 18世紀の京都は、円山応挙に始まる円山派、与謝蕪村に学んだ呉春の四条派が登場。明治維新後も、円山四条派に連なる幸野楳嶺や竹内栖鳳らを軸に展開する。上村松園は栖鳳に師事した。

神坂雪佳図案、神坂祐吉「源氏夕顔蒔絵棚」1917年頃 MOA美術館蔵 前期展示

 同館学芸課の後藤結美子担当係長は「明治維新で急に変わったわけではなく、江戸期のものを引き継いだ部分とそうでない部分があって、徐々に移行していった。そんな京都の特徴を見てほしい」と話す。

八木一夫「ザムザ氏の散歩」1954年

 明治後期以降、日本画にも海外の影響が目立つようになる。西洋の風景画に衝撃を受けた栖鳳は、横長画面の作品に挑む。土田麦僊も西洋絵画の影響を思わせる作品を描く。

安井曾太郎「孫」1950年 大原美術館蔵

 洋画は明治後期、京都で関西美術院を設立した浅井忠の存在が大きい。同院出身の梅原龍三郎と安井曾太郎は戦前戦後の作品がそろう。浅井はまた、当時のパリで流行していたアールヌーボーに触発され、京都の工芸振興に努めた。薫陶を受けた図案家で日本画家の神坂雪佳も、工芸家と組んで斬新な作品を残す。

土田麦僊「大原女」1927年 京都国立近代美術館蔵

 第2次大戦後は、戦前からの活動を深化させた作家のほか日本画や陶芸、書も、欧米の潮流の影響を受けた前衛的な活動が現れた。1970年代生まれの現代美術作家まで網羅する。

円山応挙「藤花図屏風」(左隻)1776年 根津美術館蔵 前期展示

 京都で84年ぶり公開となる応挙「藤花図屏風(びょうぶ)」(重要文化財)、蕪村晩年の代表作「鳶(とび)・鴉(からす)図」、伝統的な技術と西洋的な意匠が融合した大正から昭和期の工芸など見どころは多い。



【会期】10月10日(土)~12月6日(日)=前期10月10日~11月8日、後期11月10日~12月6日、展示替えあり=。月曜休館(11月23日は開館)
【開館時間】午前10時~午後6時(入館は閉館30分前まで)
【会場】京都市京セラ美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
【主催】京都市京セラ美術館開館記念展「京都の美術 250年の夢」実行委員会(京都市、京都新聞など)
【入場料】一般1600円(1400円)、大学・高校生1200円(1000円)、中学生以下無料、障害者手帳提示の人と付き添い1人まで無料。かっこ内は20人以上の団体。2回券は2800円(一般のみ)。予約を優先。
【問い合わせ】京都市京セラ美術館075(771)4334。予約は075(761)0239またはホームページで。