ピーチ・メルバ

<写真に撮りたいスイーツレシピ 「オルディネール」主宰 佐藤綾>

 19世紀末、現代フランス料理の基礎を築いたといわれるオーギュスト・エスコフィエによって作られたデザート。ロンドンのサヴォイ・ホテル料理長をしていた当時、ファンであったソプラノ歌手ネリー・メルバのために、桃のコンポート、ラズベリーソース、バニラアイスクリームを用いたオリジナルのデザートを考案し、「ピーチ・メルバ」と名付けました。
 この“自分のためだけにデザートを考案してくれる”というロマンチックで特別感のあるストーリー、夢のあるきれいなビジュアルは、まさに女性冥利(みょうり)に尽きるでしょう。私も大好きなデザートです。
 桃が出回るこの季節、手作りのコンポートは意外に簡単でとても美味(おい)しいもの。アイスクリームは市販のお好みのもの、クランブルはクッキーを砕いたもので気負わず楽しんでいただくのもとても良いと思います。


【材料】=4人分

▽桃コンポート=白桃2個、砂糖200グラム、水600グラム、バニラビーンズ1/4本、白ワイン大さじ1、レモン汁1/2個分
▽バニラアイスクリーム=牛乳160グラム、砂糖50グラム、練乳大さじ1、コーンスターチ大さじ1と1/2、生クリーム140グラム、バニラペースト小さじ1/2
▽クランブル=薄力粉20グラム、アーモンドプードル20グラム、砂糖10グラム、きび砂糖10グラム、無塩バター20グラム
▽フランボワーズソース=フランボワーズピュレ40グラム、砂糖40グラム
▽桃のジュレ=桃の煮汁160グラム、板ゼラチン3グラム


【作り方】

(1)水、砂糖、切り込みを入れたバニラビーンズ、白ワイン、レモン汁を鍋で沸騰させ、水洗いした桃を入れて再び沸いたら弱火にし約15分、落としぶたをして火を通す。粗熱が取れたら半分に切り込みを入れて皮と種を取り除き、煮汁ごと完全に冷ます。
(2)鍋に牛乳、砂糖、練乳、コーンスターチを入れてとろみがつくまで火を通す。氷水で冷まし泡立てた生クリームとバニラペーストを加え密閉容器に入れ、冷凍庫で固まるまで4~5時間冷やす。
(3)ボウルにクランブルの材料を入れて全体を指先ですり合わせる。そぼろ状になったものをオーブンペーパーの上に広げ、180度のオーブンで約12分焼く。
(4)フランボワーズピュレと砂糖をレンジで加熱し、冷蔵庫で冷ます。
(5)桃の煮汁をレンジで沸かし、ふやかした板ゼラチンを入れてよく混ぜ、冷蔵庫で固まるまで冷やす。
(6)深めの器にクランブルを敷き周りにフォークで砕いたジュレを置く。バニラアイスクリーム、桃のコンポート、フランボワーズソースの順に盛り付け、ミントの葉などを飾る。


【ポイント】

 写真撮影の基本となる構図、代表的な構図を紹介したいと思います。私は“美味(おい)しそう”とまず思ってもらいたいので縦写真を中心に撮り、背景のボケを生かして被写体をより印象深く見せるようにしています。
 その際よく使うのがS字構図。被写体が複数ある時はS字に並べると遠近感が出やすく、画面に柔らかなリズムと奥行きが感じられます。また背の低い一輪挿しがあると構図の中に入れやすいので便利です。

◆佐藤綾 さとう・あや 英国留学やドイツ系IT企業勤務を経て、かねて興味を持っていた製菓の専門学校で学ぶ。2007年から京都市でお菓子教室「Ordinaire」を主宰。インスタグラムはORDINAIRE_AYA