彦根大花火大会(2002年8月、彦根市・彦根港周辺)

彦根大花火大会(2002年8月、彦根市・彦根港周辺)

市の財政難を受け、廃止の見通しとなった「彦根ばやし総おどり大会」(2016年8月、彦根市・銀座商店街)

市の財政難を受け、廃止の見通しとなった「彦根ばやし総おどり大会」(2016年8月、彦根市・銀座商店街)

 滋賀県彦根市の夏の風物詩、彦根大花火大会と彦根ばやし総おどり大会が今年は開催されない見通しになった。市役所本庁舎耐震化や市民体育センター建設など大型事業の工費が想定外に膨らむ中、財源確保のため2019年度当初予算案の編成過程で両大会への支出の見直しに至った。市民からは慣れ親しんだイベントを惜しむ声や、工費膨張のしわよせを受けることへの批判が出ている。

 彦根大花火大会は、市内外から毎年13万人の観覧客が訪れる人気イベント。5千~1万発を松原水泳場沖から打ち上げ、今夏で70回目を迎える予定だった。

 彦根ばやし総おどり大会も50年以上の歴史があり、毎年2万人の人出がある。彦根藩主井伊直弼による開国100周年を記念して1960(昭和35)年に作曲された民謡に合わせ、商店街で市民らが踊る。市は花火大会については当面中断、総おどり大会は廃止の方針だ。

 彦根では両大会と、浴衣姿で城下のそぞろ歩きを楽しむゆかたまつりが夏の3大イベントとされてきた。同市西今町の男性(72)は「花火大会で早めに最前列の席をとって家族と見るのが楽しみ。本当に残念」と話す。

 総おどり大会会場の銀座商店街の小林昭一・同商店街協同組合理事長(64)は「廃止は寝耳に水で困惑しており、寂しい。市の『失政』のつけを押し付けないでほしい」と憤った。

 イベント予算削減の背景には、市の厳しい懐事情がある。24年滋賀国体(国民スポーツ大会)の主会場となる同市では19年度以降、会場周辺のインフラ整備など大型事業の工事が控える。

 22年春の供用を目指す新市民体育センターは、建設資材の高騰などの影響を受け、事業費が基本設計案比で11億2千万円増えた。本庁舎耐震化も、市の当初の積算の甘さや計画の長期化による消費税増税の影響などで総工費が20億円以上膨らんだ。市は今後5年間で89億6千万円の収支不足を見込んでいる。

 両大会の中断・廃止による財政効果は年1200万円。大久保貴市長は「必要な事業を見直すのはつらい。花火大会は国体会場完成後、再開も検討する」としている。