灰皿のあるコンビニ前は愛煙家にとって貴重な喫煙スポットとなっている

灰皿のあるコンビニ前は愛煙家にとって貴重な喫煙スポットとなっている

 受動喫煙防止の動きが広がる中、コンビニエンスストア前に置かれた灰皿をどうすべきか。大手コンビニは撤去に向けた取り組みを進めるが、受け皿となる喫煙場所の整備が課題として浮かび上がる。

 国内最大手のセブン-イレブン・ジャパンは昨年11月、東京都内約2700店のうち、店頭に灰皿を設置している約千店のオーナーに、灰皿撤去を依頼した。強制力はないが、7割が前向きに検討しているという。同社広報は「煙で呼吸が苦しくなるとの声も届いている。東京五輪も控え、指針を示した」とする。一方で、要請を全国の店舗へ広げるかどうかは未定とする。

 ローソンは2006年から灰皿の設置基準を示している。各自治体の路上喫煙禁止区域では撤去を求め、同区域外でも、店の入り口から離れた場所への設置か撤去とした。12年以降は新規店での設置を認めていない。それでも、灰皿を置く店舗は京都府内で約8割、滋賀県内で約9割あるといい、同社広報は「コンビニが公共的な場所となっている点を重視し、対応を考えていく」とする。

 ファミリーマートは原則として直営店では灰皿をなくし、フランチャイズ店も路上喫煙禁止条例のある地域では撤去としている。同社広報によると、灰皿のある店については「環境美化の観点から設置している。たばこを販売する店としての責任もある」とするが、自治体や客から撤去の要望があれば協議しているという。

 屋内、屋外を問わず禁煙が広がる中、愛煙家にとってコンビニ前は数少ない「憩いの場」になっている。飲食店経営の男性(54)=京都市山科区=は「たばこを扱っているのに灰皿をなくすのはどうか」と疑問を投げかける。男性は自宅でも妻の意向で禁煙のため、休みの日は近くのコンビニまで吸いに行き、買い物を済ませるという。「店にとっても灰皿を置くことはメリットがある」と話す。

 コンビニ前にある灰皿の多くは、日本たばこ産業(JT)がコンビニの要望に応じて提供している。同社IR広報部は灰皿撤去の動きについて、「個々の判断なのでコメントすることはない」としつつ、「適切な喫煙場所の整備に向け、お得意さまの要望を踏まえ、適切にサポートしていく」としている。