京都市議会の決算特別委員会の分科会で市バスと地下鉄の厳しい収支見通しなどについて説明する交通局幹部(中京区・市役所)

京都市議会の決算特別委員会の分科会で市バスと地下鉄の厳しい収支見通しなどについて説明する交通局幹部(中京区・市役所)

 京都市交通局は9日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で減収が続く市営地下鉄と市バスについて、2020年度の経常赤字が地下鉄で最大89億円、市バスで同85億円となり、市バスでは過去最大の赤字額になる可能性があると明らかにした。既に300億円超の累積赤字が続く地下鉄は、再び経営健全化団体に転落する恐れもあるという。

 同局はこれまでの乗客数を基に今後の収支見通しを試算した。経常赤字が最大となるのは、乗客数が3割減だった6月の水準が続いた場合。乗客が一定回復し、2割減だった3月の水準に戻ったと仮定しても、地下鉄で73億円、市バスで75億円の赤字が見込まれるという。

 市バスでは観光客の増加で近年黒字決算が続いてきた。70億~80億円台の赤字となった場合、赤字額は00年度の52億円を上回り、過去最大となる。地下鉄は、東西線建設で減価償却費が響いた1998年度に290億円の赤字となったことがあるが、2015年度以降は5年連続黒字が続いている。

 9日の市議会決算特別委員会第3分科会で、市議が「経営健全化団体になるのではないか」と質問したのに対し、交通局の大塚健志企画総務部長は「(地下鉄は)累積赤字が300億円を超えており、経営健全化団体になる可能性は極めて高いと言わざるを得ない」と発言。一方、市バスはコロナ禍で特例的に発行が認められる地方債(特別減収対策企業債)で資金不足を一時的に免れることができるという。

 同局は、コロナ禍で不要となった混雑対策事業などの経費を節減し、赤字幅の圧縮に努めるとしている。ただ既に発生した減収額を埋め合わせるのは不可能に近い。地下鉄の11駅で予定する可動式ホーム柵の設置など大規模事業の先送りも検討するとしている。