南丹市美山町下吉田周辺を走るクマ(住民提供)

南丹市美山町下吉田周辺を走るクマ(住民提供)

南丹市美山町鶴ケ岡の木に付けられたクマの爪痕。鋭さが伝わる(南丹市提供)

南丹市美山町鶴ケ岡の木に付けられたクマの爪痕。鋭さが伝わる(南丹市提供)

 京都府南丹市における2020年度のクマの目撃件数が11日までで33件に上っている。同時期と比べて07年度以降で最多で、1年間を通して最多だった10年度の48件を上回るペースだ。柿が青いうちから食べるという過去にないケースも今年は見つかっている。10月中旬から活動が最も盛んになるため、市が警戒を呼び掛けている。

 20年度の目撃件数は、19年度同時期の12件の3倍近い。19年度は10月12日以降に24件の目撃があった。冬眠に向けて、10月中旬から12月初旬まで活発に動き回るため、今後、さらに目撃が増える可能性が高い。

 個体数の増加が一因とみられる。京丹波町や亀岡市など、由良川の東で生息する丹波個体群は約10年で2倍超の480頭に増えたとみられる。増加に伴って出没範囲も拡大。昨年は南丹市日吉町胡麻のJR胡麻駅付近など今まで情報がなかった地域で目撃された。

 今年の新たな特徴が、熟していない柿を食べた痕跡が同市美山町の荒倉や下平屋などで散見されている点だ。市農山村振興課の奥村豊課長補佐は「青いうちから食べるのは聞いたことがない」と驚く。昨年に続いてドングリが凶作なことが背景にあると考えられ、飢えている恐れがあるという。

 身を守るには、出くわさないようにするのが重要だ。柿や栗などの実を庭の木から取っておくほか、夜間は車から降りる前にクラクションを鳴らして人間の存在を知らせておくといった対策が有効という。近く、注意点をまとめた生活情報誌を全戸配布する同課の片山正人課長は「現状で人的被害はないが、今後さらに注意してほしい」と強調する。